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おいしい関係 1 (YOUNG YOU漫画文庫)

価格: ¥670
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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「久々に全巻そろえたコミックスです」 ★★★★☆
うちの近所におじさん2人がやってるレストランがあります。数少ないメニューをしっかり作っているキッチン風レストラン。ナポリタンセット1000円、ステーキセット1500円、ハンバーグステーキセット1500円という感じ。ちょっと高くて、素朴な料理なんだけど、たまに無性に食べたくなる。そういうファンみたいなお客さんが付いている。

そんで窓際の席に座りながら、この漫画を読むのが最高の楽しみだった。何気なく読み出したけど、ぐいぐいと、槇村さんが描く物語に引き付けられていった。

父親を亡くしたお嬢様。この楽天的で、前向きで、愛情いっぱいのキャラ設定(&いろんな表情)がグー。彼女の料理に対する姿勢、知識が、物語を引っ張っていく。そして町のレストランで働く天才シェフ、織田とのからみ。織田と対照的に華やかに生きるスターシェフ、高橋薫。そしてこの第1巻の終わり近くに出てくる御意見番のおばば、織田千代。このばあさんが絶品、最高。こういった人間模様が、まさにおいしいフルコース料理のディッシュのように展開されていく様は、漫画を読む醍醐味に溢れてます。
ちなみにこの漫画は、文庫サイズとかいろいろ出てるけど、このスタンダードなサイズの「ヤングユーコミックス」をオススメします。

ランチの女王の元祖 ★★★★★
食いしん坊の父親が他界し、お嬢様の百恵が「自分の生きる道」をあるレストランでみつけます。
こんなグルメはいないだろう、・・・馬鹿にしつつも強引な物語の展開に引きずりこまれてしまうのは、槇村 さとるさんの達者な筆遣いによるところが大きいかもしれません。
食べるということについて ★★★★☆
 僕の好きな漫画の中では、ベスト10の中でも上位にランクする作品だ。なにより真摯な主人公の生き様がいい。成長していく主人公の物語だけれど、それでも、たんに馬鹿で、物事に闇雲にぶつかっていくだけの少年誌的な体当たりだけじゃなくて、できごとを素直に受け止め、考え、実行していく。

 長い物語だけに、幸せからの失墜はシビアに書かれる。自分を守っていた父親の死から、蝶よ、花よ、と育てられてきた母親の散財をしかりつけながら、将来に対して不安を描くところが丁寧に描かれている。
 その絶望の中で、立ち寄った店の織田圭二の料理に百恵は涙ぐむ。後の巻で、愛情が形になって心にしみたと言っている。

 僕はそこまで絶望に陥ったことはないけれど、おいしい料理が身にしみるとい!!うのはよくわかる。

 僕の好きな千代婆の言葉に「一生のうちに食べるのは、80万回。ただ食べるだけならもったいない」という。僕もその意見に賛成だ。疲れて、腹に力が入らないとき、僕はおいしいものを食べるようにしている。高い料理じゃなくて、僕がおいしいと決めた料理店で。

 自分の幸福になれるポイントは自分の意見で決めるのだ。それは雑誌やグルメ番組では得られないものだ。

 百恵が師匠と認める織田は、馬鹿だの、あほだの、無能だの、口と技術の厳しい男だった。百恵は何度もやめてやろうとするが、その理由がわからなくて調べる。

 織田圭二は「レストランに捨てられた子」だった。両親は最後の晩餐の後、自分達だけで自殺して、そのままだった。
 千代婆「料理は才能がなきゃできん!!が、才気走った料理ほど味気ないものがない。それが圭二の限界だ」
 それを知った百恵は、この男が気づくまで温かい料理を作り続けようと決心する。それは救われた自分の恩返しだったのかもしれない。

 この作品は、食べることについて、食べさせることについて、それらが関わる生涯について、じっくりと描かれたお勧めの作品です。

たびたび読み返したい愛蔵マンガです ★★★★★
全編おいしい楽しいロマンスもばっちりの、少女が一人前のシェフになって、恋愛も成就させるまでの物語です。絵と短い文章だけで、おいしい料理を作り、味わう様をここまで表現するなんてさすがです。 思春期の頃夢中で読んだ少女漫画家が 夢や画風は壊さずに思想はしっかり今時の女性のものにして、こんなステキなストーリーを展開してくれるなんてと感激。

笑ったり泣いたりしているうちに、少女の心をちょっぴり思い出したりもします。