7人目の「神殺し」誕生の時
★★★★☆
第3巻にきてようやく「最初の話」が語られることになった。思えば珍しい進行である。当初からこの予定だったのだろうか。だが、第1巻を読み始めた時に感じた、設定の妙な「出来上がり感」に対しての説明が充分になされたようには見受けられない。見事なまでのツンツンで始まるエリカとの交流が、今ほどのデッレデレまでには至らないからである。「デ」くらいで終わってしまうので、今に至るにはエピソードがもう1つ2つ必要な気がする。おそらくそれがもう1柱の神格(今回は神様が複数出て来る)との結末、つまり第1巻でもエリカが言及しかけているシチリアでの出来事や、同じく第1巻で語られたサルバトーレ・ドニと引き分けた決闘に繋がるのではなかろうか。さて、今回のクライマックスである、護堂のカンピオーネとしての誕生の瞬間だが、その強大過ぎる力や、神々の圧倒的な存在感の割に(他力本願的な作戦勝ちはあるにせよ)案外すんなり、というかあっさりだった印象である。確かに絶体絶命のピンチの末ではあるが、もう少し頁を費やして盛り上げた方が良かったかも。しかし裏を返せば、ここに至るまでがじっくり丁寧に描かれていたのでそう感じたのかもしれない。神々のことも、何も知らない護堂にエリカから解説させる手法で、今まで以上に分かりやすい説明になっていたと思う。そして、絡み合う伏線を巧みに回収していくストーリー展開は安定したレベルで、特に後半のドラマを盛り上げている。ただ、今回は物語の特質として致し方ないのだが、エリカや祐理とのドキドキな絡みがほとんど無いので、その分の物足りなさは否めない。これは次巻でたっぷり補完していただきたいところである。その次巻では作者曰く『銀髪の人たち二名が再登場』との事。第1巻以来の地母神との再戦なのか、エリカの盟友はいかにイジられるのか、なかなかに楽しみである。あと余談だが、あとがきに『7人のカンピオーネに女子はいるか?』とあるが、第1巻第1章に「妖しき洞窟の女王」ことアレキサンドリアの『アイーシャ夫人』なる女性が古参の魔王の1人として記されているので、これが回答ではなかろうか。
あれ?あれれ?
★★☆☆☆
この巻では護堂がウルスラグナを倒し、カンピオーネになる頃の話が書かれています。
1巻目でウルスラグナに勝てたのは、偶然と幸運の恩恵と書かれ、アテネと戦った時のエリカのセリフに
「観ているといいわ。ああなった護堂は、誰よりもえげつないんだから。勝つためには手練手管を駆使して、
アテナを攻略しにかかるはずよ」というセリフがあり、それがこのウルスラグナとの戦いに裏打ちされたものだと思い、
とても期待していたのですが……ぜんぜん足りない……もっと物語を作りこんで欲しかった。
過度の期待はしないほうがいいです。
次回は、本編へと戻り、サーシャと再びアテネが出るようです。
次に期待をこめて、☆は低めの2つにします。
今までのカンピオーネが好きな人にはお勧めします。
★★★★☆
今回の物語は時系列で言うと1巻より前の話になります。
護堂がいかにしてカンピオーネになったか、ツンだったエリカがツンデレになるまでの経緯が書かれています。
この時の護堂には何の力も無い一般人なので物語の最後まで活躍するところはありませんが最後は護堂らしさがでているので今までのカンピオーネが好きな人にはお勧めできると思います。
残念だったのはツンデレからデレになった経緯であろうシチリアの話が無いので今後出ることを期待したいと思います。