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「玉砕総指揮官」の絵手紙 (小学館文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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父親から息子へのメッセージ ★★★★★
クリント・イーストウッドの映画が評判になったので映画を見る前に読んでみたのだが、これほどフランクな文章を書ける日本軍の幹部が居たのかと驚愕してしまった。
道中記録というには、当時のアメリカ人の風俗を克明に書かれており、ジャーナリストを目指したと言われるだけに、細かい描写には驚くしかない。
逆にアメリカを理解していればこそ、硫黄島に於ける戦いの答えが徹底抗戦であったのか。映画を見た後で改めて読んだ時、父親が息子に語る優しい絵からあのような戦いが出来たのか?全ては本土の家族の為、そう解釈するしかできない。

散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫 か 50-1)を更に読んだ後、訣別電文を「散るぞ悔しき」に改竄された事を知り、玉砕総司令官の心情すら無視をする当時の戦争指導に対し、栗林本人の憤り(もしかしたらそれすら通り越していたかもしれない)がどれほどであったのか?

ユニークな絵を見れば見るほど、戦争とは残酷でしかないとしか言えない。
現在の父親としてのヒントに?! ★★★★★
よく読みこむと栗林さんの家族に対する思いや心づかいをとてっも大きく感じる一冊でした。軍人としてなかなか家族との接点が取れにくい中このように手紙と言う形で【家族】と言うものをしっかりともたれていたと言うことに、現在のお父さん(特に残業・ノルマでなかなか家族との接点を持つのが難しいなど・・)にも、【家族】との接点を持つ有効手段ではないか?と思いました。
家族にだけは打ち明けた、軍人の孤独な心が胸を打つ ★★★★★
 クリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」で改めて広く知られるようになった、陸軍中将・栗林忠道。彼は、昭和3年から5年にかけて留学していたアメリカから、幼い長男太郎に宛てて、ポンチ絵のようなイラストを添えて大量の手紙を書き送っていました。本書は、現存するそれら絵手紙に、硫黄島から娘と妻に宛てた数通の手紙を併せて構成したものです。

 激戦の地・硫黄島の将であった人物からは想像もできないような、慈愛に満ちた文章とイラストが、かえって涙を誘います。父のいない生活に息子が寂しい思いをすることのないようにと、多忙を極める中でせっせと綴った手紙ですが、読み進むうちに私は、実はこれをしたためていた栗林自身が、果てしないほどの孤独感を抱えていたのではないかということに思いが至りました。

 日本にいるうちに英語は学んでから出立したとはいえ、かの地では会話についていくことはやっとという状態。それでも国の費用で出かけたからには、一定の成果を収めぬうちにはおめおめと帰国するわけにもいかず、焦燥の中で悶々とする日々を送っていたことは想像に難くありません。

 カンザス州の陸軍駐屯地に滞在中に書き送った手紙では息子に宛てて、「御父さんの一番(の)たのしみは、やはり田舎道をひとりで『ドライブ』することです」と綴っています。大きなアメリカの車を駆って、これまた大きな田舎道を、一人で運転する栗林。それを「一番の楽しみ」だと言う心情。なんとも寂しい風景が目に浮かぶのです。

 国に殉じる覚悟を常に持つはずの軍人が、家族にだけは包み隠さず見せた心の内。お父さんのこんな心の淋しさを知ってほしい、と静かに訴えかけるかのような内容に、正直で露な男の心が見えて、ほほえましくもあり、また哀しくもあるのです。

 良い本です。
こんなに柔軟な思考の持ち主もいたんだ ★★★★★
 祝!キネ旬ベストテン1位、2位というわけではないのですが、クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部作のネタ本ともいうべき『「玉砕総指揮官」の絵手紙』栗林忠道、小学館をサクッと読んでみました。

 どうしても旧日本陸軍はゴシック的というか東洋的ファナティズムに満ちた集団というイメージが強かったんですが、超エリートともなれば、こんなに柔軟な思考の持ち主もいたんだ、と改めて感じ入りました。

 広いアメリカの田舎道をドライブする楽しさ、NYの摩天楼の機能美に圧倒される感受性、そして日本にいる家族への暖かな目線。どれをとっても感動的です。「唐もろこしか、又じゃが芋、豆か。よく何時も同じものを食べさせるな。これを考えると、日本人の食事は相当贅沢なもんさ」(p.159)なんてあたりもいい。
イーストウッドはこの本を見て映画を作る決心をした! ★★★★★
映画「硫黄島からの手紙」に唯一、原作本としてクレジットされたのが本書。

 映画のパンフレットで<「玉砕指揮官」の絵手紙>について、イーストウッドや脚本を担当したアイリス・ヤマシタが語っている部分を紹介しよう。「多くの日本語文献を翻訳していく中で<「玉砕指揮官」の絵手紙>と出会った。……クリントは彼の手紙からインスピレーションを得た。この心優しい、愛すべき父親が硫黄島の日本軍を指揮したなんて、とても信じられなかった」。
 実際、渡辺謙が演ずる栗林中将がアメリカ留学時代を回想するシーンや、硫黄島での様子をかくところなど<「玉砕指揮官」の絵手紙>そのもののシーンが出てくる。アメリカの自動車文化の凄さを子供に伝える手紙を書いた栗林中将は、どんな思いで巨大な米軍と戦ったのだろうか…イーストウッドが想像しただろうことを、私たちもこの本を読んでいくと、同じように体験できるのだ。
 映画とともにぜひ読んでおきたい…絵手紙なので時間もそれほどかからず、ユーモラスな文体に時に笑みも出るはずだ。ただ…売れているのか、なかなか書店で見つからない。