橋本一子さんらしく、全体にジャズのトーンでまとめられてはいるものの、技巧を凝らした楽曲の数々は、今改めて聴いても、多彩かつ難解です。なので無条件にはオススメ出来ません。あくまでアニメ本編をずっと見ていて、この音楽が気に入った人向けのアルバムだと思います。
橋本さんは、本編の作編曲のみならず、挿入歌「カトゥンのさだめ」(6)、エンディング「夢の卵」(21)もご自身で歌ってます。坂本真綾さんの歌うオープニング「ヘミソフィア」(1)の陰に隠れて目立ちませんが、キャッチーなオープニング曲に負けない、いずれも名曲だと思います。
あと特筆したいのが、長文のライナーノート。ジャズ界の大物・橋本一子さんに至るいきさつが丁寧に紹介されていて、ラーゼフォンの音楽から逆に、橋本一子さんの個人アルバムに触れる人のためのガイドも兼ねていて、非常に親切でよい構成だと感じます。
全体的の流れとしては、サントラらしくまとまってはいると思うのですが、これいいなっ!という印象に残るのがあまりないです。「ヘミソフィア」は大好きで、何度も聴いてます。このインパクトが強すぎるのか、私の耳には他のが残りにくかったようです。
ブックレットは非常に奇麗で芸術と思えるほど素晴らしく、嬉しいです。これ欲しさに3枚揃えるかもしれません。