男性視点の女性観とは
★★★☆☆
角川文庫刊・滝本竜彦原作/少年エース連載・大岩ケンヂ漫画の
『N・H・Kへようこそ!』TVアニメ第9〜10話を収録したDVD5巻です。
大学を中退し、無職のまま4年間ひきこもっている主人公・佐藤達広。
社会復帰を目指すべく孤立奮闘するものの、逆に堕ちて行く様が痛々しい作品です。
今回は女性との付き合いと照らし合わせた達弘のとまどいを描いています。
第9話「海の日にようこそ!」★★★☆☆
夏といえば海。海といえばそう、夏コミ!・・・え?
2次元と3次元の「女性」の存在に翻弄される達弘と山崎の姿が滑稽です。
過去のトラウマに重ねた捻じれた女性観、岬との関係に妄想壁が
止まらない様など、倒錯し凝り固まった考えながら、ある出来事で簡単に氷解してしまう
喜劇にやれやれです。単純明快すぎる二人の感情の浮き沈みが観ていて退屈しません。
第10話「ダークサイドにようこそ!」★★★★☆
気を使いすぎて気にしすぎる神経過敏で臆病なひきこもりの暗部を曝け出しています。
中原岬に恋心を抱く自分の気持ちに正直に語れず、彼女のことを直接聞けない
困惑と妄想の狭間で揺れる達弘のコミュニケーションの不得手ぶりの描写に目を見張ります。
優しい性格に見えて、結局最後は自己保身のために現実逃避し続ける様が哀しくも情けない物語です。