深い味わいのピアノ・ミニマム・ソロ。
★★★☆☆
グラス自身による自作自演のピアノソロ作品集。
「metamorphosis」はカフカの小説「変身」から来ている。
とはいっても巨大なカブトムシに変容した男が
描写されているのではなく
もの悲しげな情感をたたえたピアノの旋律と響きが反復していく。
「mad rush」「wichita suitra vortex」は、
それぞれダライ・ラマ、アレン・ギンスバーグと関係のある楽曲。
アルバム全体の印象は、他のグラスのミニマムミュージックよりも
ロマンチックで親しみやすく
坂本龍一やマイケル・ナイマンに通じる気配があるが、
よりそぎ落とされているだけに、深い味わいがある。
夜、寝る前によくかけます。