うんと良い本とは思えませんでしたが、この分野を扱う和書は他に選択肢がないと思います。式の間違いもありましたが、この本を読む人であれば直ぐに気付くところですので、問題ないと思います。

ただ、理論的扱いがやや弱く、そんなに汎用的な本でもないと思いました。後半で著者が紹介する対象を扱うのに必要な式だけを前半で説明するという感じです。扱っていない部分については、他の本を参照しながら自分で式を一から誘導するしかないでしょう。

また、このシリーズの第一巻の非圧縮性流体解析を参照する必要がありますが、そちらが品切れというのは残念です。本書の巻末にシリーズの紹介があり、そこでこの本が旧定価のままだったのも・・・です。

理論、コーディング、両方を網羅したシリーズの発刊を望みます。

シリーズ全６巻のうちの一つである。このシリーズは、ＣＦＤソフトを使いこなそうとするエンジニアにとっても、学生のような初学者にとっても、一般的な理論を学ぶには、適当なシリーズである。当然ながら、
やや学究的であり、使いこなしに有益なノウハウや含蓄は含まれていない。
本書の扱う「移動境界流れ」とは、構造体との連成計算を扱うものであり、従来の流体だけを扱うものに比べて、現象に対するモデル化に汎用性がある。