整理された情報のまとまりの意味
★★★☆☆
会社をつぶす経営者の一言 「失言」考現学 村上 信夫
勢いで購入した一冊。
著者は放送作家だそうですが、なるほど。大変読みやすく整理された本で、できるだけ正確に期す為、複数の記事から出典を明らかにしたとあります。
タイトルどおり、問題を起こした企業の経営者が「失言」することにより、火に油を注ぐ形で結果的に、「会社をつぶす」事になってしまった事例集です。
「バカなやつだ」とニュースを見聞した我々は素直に思い、本書にも「もはや喜劇である」と記述がありますが、知っている事例を改めて整理した形で読んでみると、そこにはハインリッヒの法則にも似た慣習化された不具合が共通して散見されます。
新聞や雑誌テレビだけの情報では情報が錯綜する事などは、自然というか当然の事象になっていることに異論はないと思いますが、改めて本書を読んで、考察本、検証、人の振り見て我が振りなおせなど、様々な用途があると思いますが、整理された情報のまとまりは、意味がある事なのだと思いました。
バカ経営者のバカさ加減を堪能できる一冊
★★★★☆
不祥事を起こした企業(一部大学あり)経営者の失言を「どうです、ひどいでしょう」とばかりに取り上げ、読者は「ひどい! 非常識だ!」と憤る。そういうレベルの本。なぜこんな程度の低い人間が組織のトップにいるのか、こんな人間がトップになれてしまう組織とは何なのか等を考察する内容ではなく、「危機管理が学べる」というほどではない。
でも、面白い。マスコミによって大きく報道され、誰もが知っている不祥事が取り上げられており、バカ経営者のバカさ加減を堪能できる。
こんな経営者の下で働く社員にとっては面白いどころではないけれど、「危機管理を学ぶ」というより、素朴にエンターテインメントとして楽しむべきだ。
これだけ並んでいると
★★★★★
企業のトップの一言から、テレビカメラを通じて見ている人たちが、会社のトップの人間性、企業の本質を感じ取っています。
「人は起こしたことで非難されるのではなく、起こした事にどう対応したかによって、非難される」という言葉があります。
まさしく、雪印、不二家、パロマなど不祥事を起こしたときの企業の会見を改めて考える事で、万が一の時に何を行えばいいかを学ぶ事ができます。
危機管理を学ぶための一冊としてお勧めです。