紫の上の病から、付ききりになって看病する光が不在の間に、かつての光のように、女三の宮と不義密通する柏木。女三の宮の幼稚さから、自らを地獄の闇に追い落とす柏木。
もちろん光は女三の宮と柏木の関係を知る。知られたことの恐ろしさから、恋の結末に病に伏す柏木。
紫の上あっての自分であると、紫の上は自分の半身であると、病状思わしくない紫の上の容態に闇をみる光。
柏木の子を孕んで恐怖におののくばかりの女三の宮。
橋本治の綴るこの巻の緊張感は「若紫」と「紅葉賀」以!来の緊迫感をもって疾走し、読者の呼吸を止めてしまうような、すさまじくもすばらしい巻です。
何も言うことなし。星5つ!!是非読んで下さい!