文字も少なく、単純な本です。
赤ちゃんでも、飽きることなくじっと見てくれるようなシンプルさです。
でも、押し付けでなく、自分の中から湧き上がってくるように、じっくりと命の尊さを伝えてくれる、とてもいい本です。
読めば読むほど、そして、読んでから毎日毎日、いろいろな経験に出会うほど、
改めて、命とは何かということを考えさせてくれます。
かわれて焼かれて食べられてしまう「いわしくん」。
その誇りに満ちた表情が、「いわし」として、自分の人(鰯)生をめいいっぱい生ききったのだと、
そして、「いわしくん」を食べて生きている私たちに、生をバトンタッチしたんだからな、と、
伝えてくれているような気がします。