当たり前ですがブラームスを手がけなるなら是非
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ブラームスがそのピアノ作品で好んで用いたピアノ技術を中心に徹底的に鍛える、中〜上級者向けの練習曲集。適用されている和声がブラームスの和声なので、一見無味乾燥な音型でも美しく響きます。
スタイルとしては、指の独立を促すことを目的としたピッシュナに近いですが、ブラームスの練習曲集ではそうした点に加え、アルペジオなどで広い音域をレガートで処理する場合の柔軟性を養う練習曲群が多い点も特徴として挙げられるでしょう。
ちなみにそうした練習曲については、音域が広い一連の音符を見てもいっぺんに和音的につかもうと思ったり、指どうしの間を無理に広げようとするのではなくて、手首を柔軟にしたうえで、弾いていないときの親指を瞬間的に脱力して弾くのが練習上のポイントになります(たとえ手が大きくても)。電子ピアノではわかりにくいのですが、グランドピアノなどでやってみると音色が全然違ってくるのがわかります。なお、スラーがついている限りはポジション平行移動による処理は避けておかないと、柔軟性の練習にはなりません。