アルヴェ・ヘンリクセン ECM
★★★★★
ノルウェーのトランペット奏者、アルヴェ・ヘンリクセンのECM第一作です。トランペットと
サンプラー、エレクトロニクスを中心とした作品です。北欧系に多い、はねないクールな
音世界です。ゆったりとした感じの美しい作品です。
アルヴェ・ヘンリクセンのかすれるトランペットの音は、チェット・ベイカーやティル・ブレナー
あたりのハスキーな感じを通り越して、尺八に近い音です。ここまでいくと好みが分かれ
るかもしれません。また、この音の出し方ではバリバリ吹くことは出来ませんので、トランペ
ットにそういうことを求める人には向かないと思います。
クレジットを見るとフィールド・レコーディングというのもあるので、いろんな素材を使って
音を作っているようです。また2005年や2006年のライヴの曲が数曲ありますが、スタジオ
録音の曲との違和感や寄せ集め感はありません。
頭のかたいジャズ・ファンには向かないかもしれませんが、ゆったりとたゆたう感じはすごく
美しいです。