日本の女性シンガーのＪＡＺＺはポップスになりがちだけど、これは正にスタンダードＪＡＺＺです

日本のジャズ・ライヴ店の雰囲気がそのまま聴こえてくる好ディスク。
こういう音はなかなかCDじゃ聴けなかった。フトコロが淋しい昨今、ジャズ・ファンの家酒のお共に。

ヴォーカルとはその人の人生を歌うことだと思います。「ただ歌が巧いだけ」では感心することはあっても心までは動かされません。艱難を乗り越え人柄の滲み出た純粋なメッセージ(歌心)にこそ聴く者の心は動かされるのではないでしょうか。本アルバムには全11曲、秋元順子さんの内なる心から発せられたメッセージがずらりと並ぶ。豊かな人生経験がなければ到底歌いこなせない「After You've Gone」を、力みなど全く感じさせないで見事に歌い上げています。ホーンセクションをバックにスインギーに歌う「Lover,Come Back To Me」も聴き応え充分。個人的に最も好きなのが独特の哀愁を感じさせる「Bei Mir Bist Du Schon」。これは古き良き時代のアメリカの白人女性3人のヴォーカル・グループ「アンドリュース・シスターズ」が歌い日本でも大ヒットしたナンバーで、当時、聴きなじんだ世代の方にとってもおおいに気に入っていただけるでしょう。ジャズ・ヴォーカルというと意味もなくフェイクしたり極端にメロディを崩しすぎて原曲の良さを壊してしまいがちですが、秋元順子さんは変にひねくらずに極く自然に歌いこなして曲の美しさをいっそう浮きあがらせています。映画のワン・シーンが甦るようなハスキーで魅力的な歌声がたまらない「Love Is A Many-Splendored Thing」もオススメです。

これまで、秋元順子の日本語のCDを聞いてきて、なんて歌のうまい人だろうと思っていたが、この「アンコール」を聞いてさもありなんと納得した。このCDの曲はほとんど原語で歌ったものだが、その発音のなめらかなことにびっくり。若い時、ずいぶん歌い込んできたんだろうと思われる。ベッサメムーチョ、枯葉、マンマなど聞きなれた曲だが、いつ聞いても耳に心地よい。まさに、アンコール！だ。

馴染みのあるジャズの名曲に、秋元さんの無理のない低音の歌声がとても心地よいです。
パンチの効いたアップテンポのジャズではなく、スロージャズばかりです。
BGMにはいいですよ。個人的にはスカッとくる曲を1.2曲いれてほしかったかな。でも毎日一緒に
スウィングしながら聞いてます。