いつかきっと舞台が整い彼らの物語が再び動き出すことを夢みて、アンコール。
★★★★★
表題作長編『PARTICIPET』の第1巻な第8話までを収録した、ショタでは秋緒たかみ名義も使い分ける著者の成コミ7冊目(通算12冊目)。
生徒会経理の男子生徒『吉奈賀矛雅』は、類い希なる関取体型のオデブちゃん。
でっかい図体のワリにはけっこー気弱でかな〜り卑屈だったりもする彼は、ロン毛ムチムチ爆乳生徒会長『盾科麻織(表紙)』に対して邪な欲望をいだきまくり、裏で悪戯の限りを尽くす。
そんな底意地が悪くて情けないダメ男が物語を引っ張る主役。
青春街道逆走中な彼に訪れる転機。
無我夢中の初体験。
ひと皮むけた彼に怒濤の如く押し寄せる桜吹雪な春爛漫。
第4話から登場する漫研部長なナイチチ眼鏡小動物系『矢口由海(裏表紙左)』とのコントラストも抜群。
第7話にして登場の陸上部筋肉質貧乳ショートカット『槍ヶ淵駿恵(裏表紙右』)もミゴトに場を盛り上げる。
ここまで人間的に負の要素で鎧われたところから物語をスタートさせたのが凄すぎる。
その圧倒的肉質でもってガチンコ勝負するエロ描写も、フェロモン出まくりな臨場感と、一途でワガママな心情をともなって、滅茶エロイけど、後半では描き方に芸が出てくるも透過図の乱用が思いっきり情緒を打ち消してて唯一不満。
四者四様の人間ドラマはめくるめく想いをのせてステキなドラマを演出してくれるけど、単行本1冊での打ち切り指令にやむなく終わらせた最終話は、無理矢理終幕にしては体よくまとまっているものの、やっぱり疑問符の方が先に立つ。
何時までも続いて欲しいという願望を込めて、本来なら1巻完結との表記があるにも関わらず身勝手に第1巻と表記させていただくことをお許しください。
ステキな思春期ドラマと、人間くささが素晴らしい4名の出演者に「ありがとう」。
まだまだ躓いて泣いたり転んだりへこんだりしながら成長してゆくであろう彼らに花束を。