「折る、贈る」感想
★★★★★
「折る、贈る」という題名に惹かれて書店の書架から手に取ってみた。「折る」と「贈る」の関係が何故か気になった。本を開いてみると、贈り物にまつわる10人のエピソードをドキュメンタリータッチでまとめてある。エピソードを伝えることにより、人にものを贈るという行為を改めて考えてみるという趣向であった。改めて考えてみるといっても、それは日本古来の礼法を踏まえたアプローチであり、贈る心を形にしたものが折り形であると説いている。各エピソードごとに折り形の具体例が紹介されており、折り形そのものを試してみるだけでも十分楽しめる。又、随所に、折り形の起源、作法、名称の由来等を説明したコラムがあり、さりげなく薀蓄を披露している。折るということを嗜みの一つにしてみようという気にさせる佳作である。