家宣もとい白石の努力
★★★☆☆
マンガ 日本の歴史〈33〉満ちる社会と新井白石 (中公文庫) 本書では、新井白石を中心に6代将軍家宣の世を描いている。
やはり教科書などでは到底読み取れない市井の様子や、人の情緒というものを漫画というもので伝えている。これが、このシリーズの醍醐味だろう。
しかし、戦乱の世が終わるとどうしても経済が停滞するというか、膿がたまるというか、そういうことがあるようだ。戦乱のほうが良いというわけではないが、室町時代は政治や生活は混沌としていたが、経済は爛熟していたようだし、丁度良いところでバランスをとることができないものだろうかと私は思う。
間部詮房とともに正徳の治を行い、停滞、退化する幕府経済の建て直しを図るが、幕府の経済基盤は徐々に武士たちから遠ざかってゆくのだった。