ほのぼのとした癒し系動物たちの何気ない日常が展開される「雑貨通り」。このシリーズがずっと続けば、ムーミン谷やペンギン村みたいな、ささやかなワンダー・ランドになっていたかもしれない。

　僕はペンギン好きのシロクマが大好きですが、他の動物達もウィットに飛んだ会話をしてます。悪いキャラが一匹もいないところが、何か作者の人柄が忍ばれますね。（勝手な想像ですが。）

　他のレビュアーの方も書いてますが、基本的に極めて日常的な生活を描いた会話劇で、そこら辺が大人がハマるツボなのではないでしょうか。

大人の絵本だけれど、子供にも通用するような絵本。登場する動物達がみんな可愛い。
内容はどれも余韻を残すような終わり方をしている。時にはブラックでもある。中盤あたりにある赤いページの漫画は、まるでフィッシャーの騙し絵の連続である。何周も何周も見入ってしまいそうだ。
タイトルでもわかるように、部屋から物語は始まる。それが微妙に安心感を与えている。二ページ〜六ページくらいで完結する物語が寄り集まっていて読みやすい。

登場動物？がいいですね。
イヤと言えないライオン。
赤ずきんちゃんと暮らしてるオオカミもいいです。
動物をモチーフにしていますが、描かれているのはリアルな人間模様。

同じくフジモトマサルさんの「いきもののすべて」が読みたくて、
そのついでに買ったのがこの本だったのですが、
「いきもののすべて」とともに十分満足できました。

コレクターなシロクマ、旅行好きのサル、
子連れのペンギン一家などの身近にいそうなキャラが愛しい。
シンプルでモダンであったかい雰囲気の絵に引き込まれて
昨日届いたばかりのこの本は、もう３回も
繰り返し読んでしまいました。
動物と人間が普通に同じ街を行き交うシーンは
心がざわざわするぐらい、楽しいモノでした。
寝る前にベッドの中でこの本を開くのが日課になりそう♪
フジモトさんの他の作品も読んでみたくなりました。

かわいい絵柄とシュールな笑い。
何度も何度も読み返したくなる、素敵な本です。

ココロがお疲れの現代人（？）のみなさま。
「長めのいい部屋」に入ってみれば
ニヤリと微笑み、癒されること間違いなしです。