玉にきずは、末尾にあるランティエ叢書既刊分の広告が長いこと。十六頁もある。
内容は過去出版された単行本の中からエッセイ十七篇と短編小説三篇、単行本未収録エッセイと書き下ろしエッセイが各一篇ずつ。巻頭巻末にそれぞれ歌詞が一篇ずつ。
以上いずれも「恋愛」に関するものばかり。付録の略年譜とも相まって、「中島らも 恋愛選集」とでも呼ぶべきものとなっている。
内容は小学生時代の初恋からつい最近の恋愛まで、笑える話あり、笑えない話ありと幅が広いが、共通していることが一つある。人は恋をするとおかしくなってしまうということ。その辺、中島らもは「恋は病気に似ている」と表現する。
「ただし、それは世界で一番美しい病気だろう」
次に続くこの言葉は中島らもがよく引用する稲垣足穗の「詩というのは歴史性に対して垂直に立っている」に呼応するものである。
そして至高の刹那を迎えた恋愛が次に迎えるものは、、、続きは本書を手にとって確かめてください。嗚呼 ナンマイダブ ナンマイダブ