・「戦場での負傷者,それぞれに痛い,苦しい,とうめく中で,看護兵はおとなしい怪我人から治療してゆくという話だった。そっちのほうが重傷者だから(P. 39)」
・「お世辞の一つもいえない人は大成しないぞ。ヨイショすることで自分も大きくなるんだよ(P. 85)」
・「美人も生きにくいもんらしい。大体が,美人に素直や正直はあんまり似合わない。富士に月見草が似合うが如く,美人には傲慢やウソが似合う。“笑い”より“怒り”のほうが美人には似合う(P. 127)」
・「泣くか笑うか?どっちにしよう!?これは大問題だ。でも絶対,笑うべき。笑って事態を収拾するっていうのはむつかしいけど,あとがやりやすい(P. 131)」
・「いつも好きなこと,いつも頭にあることは,自然とみんなにも感じ取られて伝染っていくのよ,スヌー。それが品というものだと思うわ(P. 144)」
田辺女史の人間観察の鋭さには脱帽です。本書で繰り広げられる田辺家のぬいぐるみと人間達の会話はまさに人間社会の縮図だと痛感します。ぜひ,読んでみて頂きたい一冊です。
ぬいぐるみのスヌーピーが大好きな人、ぬいぐるみそのものが大好きな人にはとてもお勧めな1冊。