明日倒産する会社の人事抗争
★★★★★
朝廷の中で摂関家と天皇家がゴタゴタ
やっているうちに、外の世界では
着実に次の時代の担い手たちが力を
蓄え始めている。
いよいよ平氏、源氏が登場してきます。
巻名に乱れあり
★★★☆☆
このシリーズは、内容はともかく、題名は平家物語ながら古代から始まっている。それはよいが、巻名と内容のずれが甚だしい。第五巻が「父子の巻・保元の巻」となっているのは、忠実・忠通父子の確執から保元の乱の発端を描くつもりだったのだろうが、大幅にずれて、第六巻「保元の巻(承前)」は、後三条院の即位から、待賢門院の女院宣下までである。当初の予定にこだわらず巻名はその都度改めるべきだったろう。
関白藤原家の台頭。没落。
★★★★★
関白藤原家の台頭。朝廷の権力すべてを掌握した藤原家。しかし、その栄華は
は陰りをみせ、後三条天皇のとの確執を出発として、時代は安定感をなくしていきます。
後白河院の暴走を止める力も失せ、東国では桓武平氏(とはいえ、もとをたどれば
藤原家と血縁関係)の末裔がまとまりをみせ軍事力を見せつけてきます。そして時代はいよいよ
平氏中心に動き出そうとしています。
緻密な筆致は相変わらずで、人物描写はますますさえわたって(ちょうど源氏物語のあたりだし)
います。読み応え十分な第6巻でした。