至高の前衛音楽
★★★★★
この2ndまでのSPKは真の前衛。
最初期EP「Germanik / No More / Contact」では狂気的エレクトロ・パンクなスタイル。
1st「Information Overload Unit」ではロック的ビートを後退させ、騒音的ノイズ・奇怪なサンプリングを主軸とした過激な音を提示。
そして本作ではメタルパーカッション、内省的イメージのサンプリング、鬱蒼としたエレクトロビート等々を場面ごとに効果的に駆使し、絶望的かつ邪悪な、かつ深遠かつ崇高なる世界を築き上げた。
とてつもない闇への入り口。徐々に病巣の内部へと進み、自らを異形化していくかのごとき狂った内省的熱狂、そこから発せられる呪術性と虚無への回帰願望とでも形容するしかないようなブラックホール。
本作リリースに伴い、ベトナム系女性ボーカリストのシナンが加入し、結成以来のメンバーであったニール・ヒルはグレアムと対立し脱退。KPS名義で活動を再開しようとしていたが、ほどなくして自殺してしまった。
奇形や精神薄弱児、露出した性器の画像をアートワークに用い、PVでは死体と戯れ、火炎放射器で観客を焼く・・・といった過激な活動は、社会における自己の害毒化・彼ら流の反体制的生産活動であると同時に、アール・ブリュのような芸術的マイノリティへのシンパシーでもあったという。それは闇へと葬り去られ消えていく異端者への望郷であり、同一願望であり、破滅的であった。
「SPKの活動の顛末はメンバーの自殺、コマーシャリズムへの転向という象徴的なものだった」
(秋田昌美 著 / 「ノイズウォー」より)
spk2枚目
★★★★☆
グレアムにニールヒルの、オリジナルメンバーにドラム、メタルパーカッションのピンカーが参加。1枚目と比較してノイズ、得にリズムがとんでも無いことに。惜しいのは、曲が短い事。8曲目とか。
SPK 2nd!!
★★★★★
SPKの2ndです。アナログ盤は家にあるのですが、買っちゃいました♪
ノイズ系が受け入れられない人でも、2ndは聴けるかも?です!
当然俺は受け入れられる方なんで、大好きっすよ♪
1stの「INFORMATION OVERLOAD UNIT」もかなり過激でいいんやけど、
この2ndはメタルパーカッションが格好いいです♪捨て曲は無いんですが、
2.Post-Mortem 7.Israel 13.Wars of Islamが好きやね〜
静寂な空間に踊り揺らめくノイズ音と存在感・・・・・・・
★★★★★
豪州で有名な彼等ですが兎に角スゴイです。
ジャケの中身や不気味なノイズ音の広がり・・・この異様な存在感は、精神音楽と言えばいいのか・・・・閉鎖的暗黙の中の自虐音楽と言うのか・・・・・ 好き嫌いというよりも、受け付けられるか否かではないだろうか?『音』は確かです。
何か呪符的形式や儀式をイメージしてしまう、この『音楽』に女性の『声』も的を獲ています。
本作はSPKの2NDで メタル・パッカーションが冴え渡り、SPK作の中では聴き易くノイズがうねり拡げています。
8.INTERNAL BLEEDING は時間的には短いですが、冒頭からの音が何とも言えず 13.WARS OF ISLAMのリズムも◎です。
馴染めないですが…
★★★★★
オーストラリアの伝説的なバンドの2ndです。
中のジャケットもかなり凄いですが、音も全然負けてません。
メタル・パーカッションや不気味なノイズが異様な静けさの中で響いてます。
前作Information overload unitに比べると、メタル・パーカッションの比重が増え、リズムラインがハッキリしていて聴きやすいです。
このアルバムでSPKのスタイルは実験音楽から完成形になったと思います。