発見の連続
★★★★☆
ガマ池、飛鳥山、青山の御家人屋敷、明治神宮、神田の古書店の銅張りの店構え、丸ビルの変遷、田園調布や玉川学園の土地開発、目黒川沿いに残る明治大正時代の工業地帯のなごり、などなど、東京やその近郊を歩きまわっていると、いろいろ興味が湧いてきます。ここは昔はどんなところだったのか、どのようにかわってきたのか、どんな時代意識の影響を受けてかわったのか。そのような興味をもっているひとに最適な本です。建築、都市計画、不動産の歴史ですが、当時の人々の日記を縦横に引用しているので時代の雰囲気がつかめます。さらに、絵画、写真、地図、図面が豊富に掲載されているので記述をよく理解できます。なぜ、どうして、そうなったのかという解説や、文化としての建築や都市に関する議論も含めて、最初から最後まで、私には新しい発見の連続でした。