解説がていねい
★★★★★
字が小さめなので、他の本の4〜5百ページくらいの量がある。、
これは、古典制御理論からサンプル値制御、現代制御理論、および
ポントリャーギンの最適理論までを網羅しており
かつ非常に丁寧に書かれているためである。
例えば古典制御理論の一つの山場であるナイキストの安定判別法と
ボード線図を使い、補償回路を加えてどのように安定に持っていくか?
などの解説は、ナイキストの安定判別法の証明はもとより、
10以上あるボード線図を駆使して順序よくわかりやすく解説されている。
式変形だけがたくさん書いてあるような詳しさではなく
この本は多くの例と噛み砕くような解説によって制御理論をわかりやすく説いている。
(ただし、重要な計算例は姉妹書の演習書に掲載されているものがある。)
即席ラーメンのようないくら読んでも中身の薄い消化不良気味の他書と比較すると、
濃厚な解説が書かれた本書を読むほうが理解の早道であると思う。