かつてのベストセラー
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先ず、白黒のみの参考書が苦手だったり、込み入った文字・図に拒否感を覚えるのなら、この参考書は避けるべきです。 (文字・図が白黒でびっしりと500ページほど続きます。)
上巻には ・物理の緒論 ・力学 ・物性 ・熱 が収録されてます。 (因みに下巻は、波動・音波・光波・電磁気・原子・原子核です)
内容は非常に丁寧で、これ以上詳しい参考書は探しても無いと思います。
また、特に数学が得意な人には良いと思います。(数学の記号、シグマなどが多用されてます。 数学が苦手な人にはあまり向かないかもしれません。)
ただし初版が1959年、著者も既に他界し、1995年が最後の改訂、諸事情での絶版ののち、復刊して今に至るので内容が古いです。
単位表現が古かったり、一橋大学の問題が入っていたりします。
因みに、現行課程範囲外も含まれてます。
例題・演習問題は参考程度に扱い、他の新しい問題集を使った方が今の入試に対応すると思うので、問題演習の時には良く考える必要があります。
いずれにしても、かつてのベストセラー、実力のある有名な参考書です。 物理が大好きで極めたい、絶対に物理を得意にしたい、大学でも物理を勉強したい、のような強い意志のある人には最高の参考書でしょう。
この本だけは捨てずにとってあります
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"絶版だったが復刊しました。物理受験者ならもつべき本。p1から読破しようとしてはいけません。収録問題が30年も40年も前のもので今時そんな問題出ません。あくまでリファレンスです.私はもう随分前に大学受験は終えてしまっています。他は全て捨てましたが、この本だけは捨てずにとってあります。
文系人間のための高校物理の金字塔
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類書が存在しない「孤高」の解説・演習書。
個人的には人生で最も長時間付き合った本でもある。
物理屋が書いた本ではなく、理科教育者が書いた本であり、
できるだけ数学を排して、実験から解かった事実をもとに
考察するという非常にプリミティヴな姿勢が貫かれている。
過去何度かの改訂を経て、もう補訂を得ることも無いようだが、
受験界における文化遺産にしてしまうには、あまりにも惜しい。
30年前には私立高校受験用に中学3年生が読み込んだりしていた。
最初の1ページから順に読み進めていけば次のステップへ着実に押し上げ
てくれるよう配慮されているので、文字を追うことさえ厭わなければ
誰もがある程度の自信を持つことができる。
現代の高校生であっても、とりあえず力学でお手上げになっている方がいれば
ラスト・レスキューとして上巻だけ購入してみると良い。
演習問題をこなしながら読むという授業スタイルのせいか相当に時間がかかるが、
力学理解にはどのみちどこかでこの作業をせねばならぬ。静かに耐えることだ。
私は高校1年時の中間試験が31点で、その屈辱から本書を手にしたのであるが、
鬼のように本書を読み込んで高校3年次には、原島鮮の力学が読めるようになった。
数学好きの方には逆につらい紙面だろうが、文系で物理選択をめざす方、高2進級
から理転を志す方、そしてもちろん物理の本道を行きたい方で現行課程範囲外にも
きっちり取り組んでおきたい方、本書の価値は充分にわかって貰えると思う。
高校物理マニアなら買って損なし!
★★★★★
高校時代に物理部員だった私に強力なインパクトをもたらした書物。当時、直ぐに仲間に推薦したため、私より良い成績をとられてしまった痛恨の経験あり。
この上巻では、力学、物性・熱を取り上げている。演習問題はすべて当時の大学の入試問題を利用し、実践力も高められる。ただし、大学数学を知る人にはほかに良書は数多く存在するので、あくまで、高校数学までしか知らない人、もしくは、そういった人を対象に物理を教える人向けの本。
最近復刊したのはメモリアルとしての意味合いが強く、要領よく大学受験に活かしたいならこの本は副読本として活用したほうが良い。
また、剛体の力学など、17年前にも高校物理の範囲から除かれていた分野も含まれており、非常に面白い経験を出来たので感謝している。
賛否両論あるけれど・・・
★★★★☆
20年前、高校生の時に購入し、大学に入学するまで愛用していました。教科
書や他の受験参考書では当たり前のように、さらっとしか説明されていないよ
うな事柄も、著者の視点から丁寧に噛み砕いて記述してあり、大変参考になり
ました。ただし、様々な物理現象に対する著者の説明はあくまでも高校生を
対象にしたものであり、ベストであるとは限りません。大学に入学し、本格的
に物理を学ぶようになると、あの法則の説明の仕方はこうした方がいいんじゃ
ないだろうかと思うことが多々あると思います。大学の物理学科に進んだなら
ばこの本の内容は全て忘れて、新たに専門書で学び直すことをお勧めします。