「いそしぎ」の流れる空間
★★★★☆
「イパネマの娘」でなく「いそしぎ」が私の初AGでした。
繊細なオーケストレーション、その奥行きのある音空間を漂うように聴こえるAGの声。
何となく気になる人、という妙な距離感のまま、彼女のアルバムはほぼ全作品揃ってしまいました。
分析して聴く人は他を当たってください。
まあまあ、でしょうか
★★★☆☆
アストラッド・ジルベルトは1959年にジョアン・ジルベルトと結婚。プロとして歌ったことのなかった彼女ですが、成り行きで参加した63年の「Getz/Gilberto」で歌った「イパネマの娘」でいきなりグラミー賞を受賞したという、とんでもなくラッキーな人です。この"The Shadow of Your Smile"は初ソロにしてグラミー賞"album of the year"にノミネートされた"The Astrud Gilberto Album "に続けて1965年に発表されました(ファースト・アルバムより早く録音された曲も含むようです)。
アストラッド・ジルベルトは歌が上手いわけではなく、寧ろかなり素人くさいです。かなり危うい部分もたくさんあります("Fly Me To The Moon"の「ダバダバダ」なんか乗れてなくて気を失いそうになりました;最後の"I love you"など、ピッチのずれも挙げれば際限ないし・・・)。彼女の舞台恐怖症は有名ですが「下手だという自覚」のためかもしれませんね。
ただ誤解を恐れずに言えば、ボサ・ノヴァというのは、こうした素っ気無い歌い方が似合う、更にバックの音楽に乗っていないことが必ずしも欠点にならない、そんな特異なジャンルのようにも思いますが。
アルバム全体としては、ボサ・ノヴァを基調にしながらもストリングスの占める割合が大きく、ジャズ〜ムード音楽に傾いている印象です。このたび久しぶりに聴いて、ハーパース・ビザールなどに近い世界観を感じ、実はソフト・ロックというジャンルはボサ・ノヴァの影響が強いのかもしれないと思いました。
この作品は、アストラッド・ジルベルトのあまりの歌の下手さのため高評価をつけようがないアルバムです。ま、個人的にはボサ・ノヴァがあまり好きでないので、話半分で読んでいただければと思いますが。
それほどボサ・ノヴァっぽくはないけれど
★★★★☆
デビュー・アルバムである「The Astrud Gilberto Album」(邦題「おいしい水」)の方が、選曲や雰囲気からして、ボサ・ノヴァっぽくてよいように思います。
しかし、「いそしぎ」、「黒いオルフェ」、「フー・キャン・アイ・ターン・トゥ」など、ジャズのスタンダードとしてポピュラーな曲が並んでいますが、さらっとした感じの彼女の歌い方が、ジャズ・ヴォーカルとも異なった雰囲気を醸し出しており、雰囲気はあります。暑い夏に、ぼーっと聴くにはよいでしょう。
素直に楽しみたい
★★★☆☆
なんたってバックのミュージシャンは豪華。アレンジャーはかのシナトラの多数のアルバムで編曲を担当したドン・セベスキー。曲も「いそしぎ」「カーニヴァルの朝」などボサノヴァの名曲がザクザク。1960年代のヒット盤。アストラッドの歌がヘタだ。なんて言いっこなしで、素直に楽しもう。(松本敏之)
素直に楽しみたい
★★★☆☆
なんたってバックのミュージシャンは豪華。アレンジャーはかのシナトラの多数のアルバムで編曲を担当したドン・セベスキー。曲も「いそしぎ」「カーニヴァルの朝」などボサノヴァの名曲がザクザク。1960年代のヒット盤。アストラッドの歌がヘタだ。なんて言いっこなしで、素直に楽しもう。(松本敏之)