作り込みが甘い
★★★☆☆
人間家具と言うと沼正三の『家畜人ヤプー』を思い出すが、その人間家具を映像で表現しようとした試みは高く買う。AV なので若い女の人間家具しかないと言うのも良い。しかし、作り込みが甘い。
例えば、人間家具を買った家族が食事をしているところに、夫の大学時代の同級生が尋ねてくる。そこで交わされる会話がとってつけたようで、とても不自然である。おそらく台本には台詞の割付がなく、出演者には簡単な状況説明をしたのみで、後はまかせっきりにしてしまったためだと思われるが、ホームドラマとしても十分成り立つくらいの演出がなされた上でこそ、セットの一部と化した人間家具が生きてくるはずである。
映像作品としての出来はまだまだ稚拙なので、同じポーズをとり続けなければならない、人間家具役の女優の心理をサディスティックに推測するのが本作品の正しい鑑賞法と言うべきか。