オイボレ（トキ）が死んだときや、
ボーボが死に、イカサマが魚にしてやったところや、
ガンバがしおじさんを抱きかかえながら泣いたところが、一番感動しました（T_T）

本書では、登場人物の心理描写や回想シーンに無駄なページを費やしておらず、そのために物語は加速度を増し進行してゆく。読み手は、感情移入せずに
客観的にガンバ等の登場人物の動きを手に汗しながら、読み続けることになる。テレビ放映されたアニメを見ていなくとも、その場面その場面を想像しながら・・・・・
そのため、一度読み始めたらあっという間に読み終えるに違いない。
ストーリー自体はシンプルで、登場人物の関係も明確だが、この物語が名作
たる由縁は、物語の最後につながる伏線がきちんとここかしこに書かれている
ことであろう。子供心を忘れかけている大人達に勧めたい一冊

初めてこの物語を読んだとき、夏でした。
そしてお話の中の季節も、多分夏だと思います。
そのせいでしょうか？
夏が来る度に、この『冒険者たち』を読みたくなります。

この物語で、主人公のガンバとその仲間達は、過酷な戦いをします。
イタチとの闘い、自然との戦い、つらい別れ。
様々な試練が彼らを襲います。
でももう後戻りは出来ない。

戦って自由を勝ち取るしか、彼らの生きる術はない。
そこまでガンバ達は、追いつめられます。
そんな死ぬか生きるかの状況で、彼らを取り巻く青い海は、彼らに対し
てとてもシビアです。
でも私はすごく優しく、美しく感じました。
彼らのつらい思いも、哀しみの涙も、海はすべて受け止めてくれます。

ガンバとイタチの壮絶な戦いと、青い海と。

『冒険者たち』は、２つの対比がすごく鮮烈な物語です。