旧版を再読しないうちに新版が出てしまったので、やむなく購入しました(涙)。
社会学とは膨大な研究領域を持つ学問であるにもかかわらず、この浩瀚な本を超多忙(であると思われる)なギデンズ教授が一人で執筆していることには非常な驚きを感ずる(ひょっとしたらゴーストライターがいたりして)。
もちろん、分担執筆の方が専門的な視点が入る利点もあるだろうが、一人の社会学者が見たバランスのとれたパースペクティブが得られることは本書の最大の長所であろう。もちろん、反面手薄な領域があることは仕方がないし、入門書であればそれは許されるのではないか。
もちろん、イギリスの教科書であるので、題材はイギリス社会であり、そのまま日本社会の分析に当てはめ難い部分もあるが、それは適宜読み替えればよかろう。同じ先進国(よくない言葉だが)として、共通の社会現象がみられていることも少なくないからである。
非常にわかりやすい文章で書かれているので、独習用としても使える。読み進める上で特別な予備知識は必要とされていない。
最大の心配は、二度読む前に、再び次の版が出てしまうのではないか、ということであるが・・・