良質ボッサ・カバー
★★★★☆
『ミルク・ボッサ』のタイトルのとおり全編を通して非常に優しい口当たり。
個人的にキャロル・キング作品のボサノヴァとの相性の良さは前々から感じていたところ
なのですが、本アルバムでも「It’s Too Late」「You’ve Got A Friend」の2曲が収録
されており、きれいにボッサ化されています。
一方、クリス・コナーやサラ・ヴォーンで知られるスタンダード「Lullaby Of Birdland」や、
ノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」などのジャズ・ヴォーカル曲は言わずもがな。
(まぁ、ジャズとボサノヴァは親戚みたいなものだから)
メインヴォーカルも「Lullaby Of Birdland」ではハスキーボイスの Maria Augusta 、
「Don't Know Why」ではスモーキーで爽やかな甘さを感じる Liz Menezes といったように
適材適所なブッキングがされています。
ジャズ、ポップスの有名曲を安易にボッサカバーした "やっつけ仕事" ではなく、ボサノヴァ
創成期からの第一人者 Roberto Menescal がきちんと取り組み、選曲にも人選にも
一本筋が通っていると思える一枚です。