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白眼子 (潮漫画文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 潮出版社
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大傑作あらわる ★★★★★
これは作者の実体験ではないかと錯覚するくらいリアルな話である。
そしてこの話からうける感銘は純文学のものだ。
『日出処の天子』に比べて最近の絵はどうかと思っていたが、
この作品に関しては現在の絵柄がとても合っている。
ワイズ・アイズ・シャット ★★★★★
占い、オカルトの類は本気で信じていないのだが、エンターテインメントとしてよく出来たものなら歓迎だ。盲目の運命観相・白眼子は、小さな災難を小さな幸福に変えるのが自らの存在理由であるとのたまう。しかし、障害は避けようとしたところで、遅かれ早かれやって来る。問題は、如何にして受け止めるかだ(それが簡単に出来ないから、我々凡人は苦しむ)。身の丈を超えた幸運を望めば、隅に追いやられた災いが必ず大きな不幸となり、襲って来るとは彼(正確には、作者である山岸凉子)の言。どんな占い師や宗教家、霊感師より、白眼視の言葉は説得力を持つ。内容とは関係ないけれど今回、私は作者の名前を四半世紀以上も「涼子」と間違って覚えていたことに、大いにショックを受けた。
「災難をさけようさけようとしてはいけないんだ」 ★★★★★
表題作「白眼子」の主人公は、盲目の霊能者(?)。彼の数奇な生涯を、戦災孤児の少女の視点を通して描きます。

たった百五十ページしかない作品ですが、ものすごく深い、静かな衝撃に満ちています。2000年に「コミックトムプラス」に連載されていた時読んでいたのですが、いま改めて読んで、不覚にも人前で涙を流してしまいました。

主人公は依頼人の運命や、行方不明者の消息を言い当てる仕事をしています。それはけっしてエキセントリックな超能力ではないし、格好良くもない。言ってることはしごくマトモで地味。それなのに、読む者の心を揺さぶるのです。

人間に対する信頼、過酷な運命から逃げずに生きる勇気を与えてくれる本です。どんな年齢の方にもすすめたい。年を取れば取っただけ、この作品から読み取れるモノは大きいと思うから。
とっても短い作品ですが、漫画家・山岸凉子の偉大なマイルストーンだと思います。私も、この作品に勇気づけられた一人ですから。
二人の異能者 ★★★★★
あるファンサイトで絶賛されていたので購入しました。この作者特有と言われている「怖さ」はないので、それを期待している読者(タイトルも怖そうだし...)には肩すかしです。が、主人公のように静かに、強く、心に残る作品。私は、「日出処の天子」で山岸涼子のファンになったのですが、この白眼子の主人公は、いわば、うまやどの王子のアンチ・テーゼみたいな存在のように感じました。両者とも異能者なのですが、その生き方は対極的です。

他の山岸作品についてですが、そのファンサイトでは、せりふ以外の書き込み部分が楽屋落ち的で感興を損なうという意見がかなりありました。私は、それは、作者からの警告じゃないかなという意見です。のめり込んで、主人公を盲愛してしまうファン心理に対するけん制 --「これは漫画なのよ」というメッセージじゃないかと。うまや戸の王子も、謀略を語る場面では「蛇のように邪悪」に描かれています。それでも、超能力者なので、スーパー・ヒーローになりやすいですよね。それが、作者の心の中に残っていて、コインの裏面(表?)のような白眼子の物語を語りたくなったのではないでしょうか。