弾き続けなされ、永遠に
★★★★★
05年リリースのデビュー・アルバム(EP?)
各トラックとも20分超。非常に狂ってます。
まずは"Flower Travelin' Man"
ロールするドラムによりキック・イン。ウネリ立つベース・リフはひたすらに同一ラインを殴り描き反復し、厳ついギター・リフの咆哮が両サイドのスピーカーから掴みかかる。毛穴がブワリと拡張し、血中アドレナリン濃度が増し増す原初的な快楽感。強烈なフィードバック・ノイズの放電、落雷の如く振り下ろされる豪胆なリフを主体とした、とてつもなくシンプルかつ分厚く熱くドラッギーな音塊がヒジョーに気持ち良い。
続く"Lost In The Cold Sun"では、最下層へと重心を落とし込む崩れた輪郭のリズム隊が、暗黒模様のグルーヴを燻らせる。極端にメタリックな色彩を増したギター・フレーズは、その悪魔的な様相でもってブラック・サバスを彷彿とさせる世界を描き、ジットリとしたたるように重いフレーズは、のたうつグルーヴに相乗しながら、渦巻く黒雲と成り空間を塗り潰していく。
陰陽の属性で巧く塗り分けられたような各楽曲。どちらも過去のバンドからの影響を強く感じさせるものながら、そのあり得ん長さの構成へと仕立てることで、全体で強い独自色を醸すに至っている。アグレッシヴなリフ主体の、執拗なまでに増幅され行われる展開は、頭であれこれ考える以前の極めて本能的な快楽欲求に実に忠実。ロックの根源的な昂揚を見事に煽り立て、聴いていてとにかく半端なく気持ち良い。