これを読んで、生きろ、生きろ!!
★★★★★
これを読まずに死ぬな、とにかく生きろ!!と言いたい。
これは、人類には、不条理はあるし、しかし、人類史において、明確に一人の人間が、
人類を変えた明確に輝く瞬間が確実にあるということを教えてくれる一冊です。
つまり、僕たちは、凡人だけど、生きていて良いと、そう思わせてくれる。
なぜなら、人類は、いつも挑戦して、失敗して、負けているからです。
そして、神から選ばれた人もいる。
なぜ、スコットではなくて、アムンゼンだったのか?
それは神しか知らない。
人間にとっては説明不可能です。
これを読めば、病人でも、どんな人でも、生きる意義はあるんだ、そういうことを教えてくれます。
自分自身と挑戦して向上する人間は生きているだけで素晴らしい。
ここに書かれているのは優れた人ばかりですが、しかし、この人類の星の時間がある限り、
凡人の僕たちはそれでも人間として逆説的に生命を享受する意義があることを教えてくれる名著です。
とても期待して手に取ったが。
★★☆☆☆
ツヴァイクの『マリー・アントワネット』には本当に感動した。
この一書も、タイトルやレビューなどから名著の気配が漂っていたので
かなり期待して手に取りましたが、
それほどでもなかったというのが正直なところです。
訳が古いのと、
著者の「人類の星の時間」として選択している瞬間(出来事)が、
それほど決定的なものではないこと。
衰弱死する直前のトルストイ、
決定的敗北を喫するナポレオン、
南極で遭難する踏破隊など、
選ばれている出来事は、
後ろ向きな(といっていいのか)印象を与えるものが少なくありません。
人類の星の時間、
作者の言葉で言うと
「歴史自身が詩人、劇作者としての
ほんとうの支配力をもっているところ」には、
悲劇も喜劇も、勝利も敗北も、
おなじ重要さで存在しているのでしょうが、
読書体験としては、それほどもりあがれるものではなかったのです。
星のように一瞬輝いて,歴史を自分の力,運命で,ぐっと切り開いた人々
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宝石のような短編物語.本当の勇気を持った人々の物語の数々.実際の史実をベースにしているので迫力十分.
この本に出てくる偉人とはこんな人々.必ずしも,英雄と呼ばれるわけではないが,星のように一瞬輝いて,歴史を自分の力,運命で,ぐっと切り開いた人々.人並みはずれたパワー,精力.自分の能力を100%引き出すことができる.能力,気力,命のすべてを一つのことに集中した人.運命を力ずくでぐっと引っ張った人.こんな人々が語り継がれている.
自分の運命に挑戦を始める人にお勧めです.貴方が,僕と同じ凡人でも,この本を読むことで,ある時間だけでも,歴史の舞台に立った気分になれると思います.
この中で,僕のお気に入りは,J.A. ズーターの物語.エルドラードって知っていますか? カルフォルニアにあった黄金郷.「人生,山あり谷あり」といいますが,この人の山と谷はもの凄いです.一時的には世界一の金持ちになる可能性があった.それが怒涛のような時代に流されて,とんでもないことになってしまった.
僕は避暑先で読みました.旅の本としてお勧めです.
この本は,みすずライブラリーの一冊です.
歴史の宝箱のような本
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12本の短編歴史小説をギュッっと詰め込んだ本。
作品ごとに、「そうだったのか・・・」という驚きと、歴史や時間にあがなえない人間の絶妙なあやが感じられる。
世界の歴史に精通している人ならば、よりいっそう深く楽しめそうな本。
音楽のアルバムを聴いているよな一本一本が味わい深い作品です。
私の断然お気に入りは、ドストエフスキーの体感した「壮烈な瞬間」。それぞれのお気に入りの歴史的瞬間が見つかるのでは・・・
人類の星の時間
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30年ぶりにこの本を手にとったとき、ティーンエージャーだった若き日の感動が蘇ってきた。まずタイトルがすばらしい。そして、作者の一字一句が心にしみる。それなりに人生経験を経て読み返してみると、またさらにツヴァイクの言葉の重みや深さを感じる。若い人たちに是非お勧めしたい一冊である。