興味深いのは、描かれている時代が広告を取り巻くイラストや、写真、コピー、音楽といった文化の黎明期に当たっており、現在では名を成した横尾忠則や真鍋博、篠山紀信、立木義浩、寺山修司、武満徹らも駆出しの頃で、彼らの若かりし頃のエピソードが知れることです。また、著者が当時描いていたイラストが載せられているのも、時代がわかり面白いです。ただ、一番面白いのはまだまだ認知されていなかった広告を取り巻く文化が次第に認知されていく成功物語になっていることでしょうか。タイトルにあるようにこちらもドキドキしながら楽しく読めるエッセイになっています。