日本の世界遺産を知るために 手軽で豊富な写真のガイドブック
★★★★☆
世界遺産の3種類(文化遺産、自然遺産、複合遺産)の内、日本には複合遺産はないのですが、10の文化遺産、3つの自然遺産が登録されています。それらを知るのにハンディで読みやすく、ガイドブック代わりになる書です。半分以上がカラーですし、JTBパブリッシングの発行ですので豊富な写真のストックと丁寧な説明が特徴になっています。
オホーツク海と根室海峡を隔てるような知床半島の動植物や散策路の紹介、羅臼岳への登頂コース、知床岬へのクルージング、流氷と動物との出会いなど、興味深い内容です。
同様に、白神山地のブナの巨木、そこに自生する植物、山行や散策コースの紹介により、なかなか訪れることのできない原生的な自然環境を誌面で観ながら少し疑似体験をしているかのように思いました。
樹齢数千年と言われている屋久杉の巨木や貴重な生態系が息づく屋久島もまた素晴らしい自然が残っている宝庫です。雄大な姿を知るには小さな写真ですが、自然遺産の概要を知るにはちょうど良い分量でしょう。
文化遺産の方は、有名な観光地でもありますので新鮮味は少ないですが、なかなか訪れることのできない紀伊山地の霊場の貴重な自然遺産のような雰囲気をもつ参詣道をたどる紹介は興味をもって眺めていました。
内容です。知床、白神山地、日光の社寺、白川郷・五箇山の合掌造り集落、古都京都の文化財、法隆寺地域の仏教建造物、古都奈良の文化財、紀伊山地の霊場と参詣道、姫路城、原爆ドーム、厳島神社、屋久島、琉球王国のグスク及び関連遺産群、世界遺産登録を目指す。
非常に内容の有る本です。
★★★★★
私自身は、「世界遺産」に、さほど、こだわりが有る訳ではありません。しかし、書店でこの本を立ち読みしたら、書かれて居る内容が興味深く、教えられる事が興味深いので、この本を買ひました。北は知床から、白神山地、日光の社寺、白川郷、五箇山の合掌造り集落、古都京都の文化財、法隆寺地域の仏教建造物、古都奈良の文化財、紀伊山地の霊場と参詣道、姫路城、原爆ドーム、厳島神社、屋久島、琉球王国のグスク及び関連遺産群、それに、世界遺産登録を目指す自然や史跡についての簡単な記述も有り、それらに関する文章は、長くはありませんが、非常に密度の濃い物です。又、写真もとても美しいと思ひました。良い本だと思ひます。
(西岡昌紀・内科医)