「北朝鮮内部からの通信」という通り、北朝鮮にいる記者が取材した記事を読むことが出来ます。
デノミが断行される前後の町の様子を住民にインタビューや、強制収容所から生還した人の話など、テレビやネットのニュースでは知り得ない興味深い情報が多数掲載されています。
写真はいかにも隠し撮りという雰囲気で生々しさがあるのですが、欲を言えばカラーで見たいです。
値段は決して安くありませんが、北朝鮮に興味のある人にとってはそれだけの価値はあると思います。

それにしてもすごい取材力だ。
リムジンガンを読むと、テレビや新聞、雑誌の朝鮮報道が実に陳腐に思えてしまう。アジアプレスは朝鮮問題の専門家だけれども、これほどリアルに北朝鮮の中の出来事を取材できるのに、いったい日本の大手マスコミは今まで何をしてきたのだろう・・・。

圧倒されるのはなんといっても写真の多さ!危険を顧みず、果敢に撮影に挑む北朝鮮の人々はすごい。どんな人たちなのだろう。

この第四号では、平壌の裏通りの写真ルポが一番目を引いた。私も平壌に行ったことがある。観光客向けのきれいな通りの裏側はまるで下町。一度足を踏み入れてみたいものだ。
最近実施したデノミで北朝鮮経済は破綻状態だというが、デノミ実施直後のドキュメントも大変面白かった。


リムジンガンは専門家の間ですごく評判がいいそうである。難しい記事が確かに多いが、単行本三冊分ぐらいの情報量があって楽しめる。ぜひお勧めしたい一冊だ。