ファンキーでハードなロックというと今ではレッド・ホット・チリペッパーズのような音を想像される方が多いかもしれない。レッチリはファンカデリックをベースに重心が低いハードでオルタナティブな要素を強調した感じだが、エドガー・ウィンターのファンキーさはスライ・ストーン的だ。全体的にその傾向は見られるが、キーボードがうねる⑩「Frankenstein」の少しサイケデリックな感覚はその思いを強くさせる。また、ウィンター兄弟らしくどことなくアーシーなのだ。
A面に当たる①から⑤はまさに彼らの十八番ともいえるアーシーなファンキーさが前面に出た軽快なナンバーが満載。B面にあたる⑥以降はフェイシズあたりを思い起こさせるスロー・バラッドの⑥「Round & Round」やカントリー調の⑧「Autumn」などバラエティーあふれる。⑨でまたアーシー・ファンキー・ロックンロールに戻って、インストの名曲⑩「Frankenstein」で締める。
曲はバラエティに富んだポップな曲が並んでます。ロニーはハードな[5]の後半で弾きまくっていますが、全体的にちょっと影が薄いです。タイトルの割には重い[7]では右チャンネルの片隅で弾きまくってます。
このアルバムはインスト曲 [10] が有名なのですが、それよりは [2] のほうがエドガー+リックの音だなぁと思います。また、エドガーの青筋シャウトが聞けるのは[5]くらいなのが残念です。
ダンハートマンがフィーチャされている曲もあるので、ソロになってからのダンが好きな人にも良いと思います。もちろんウィンターファミリーの音です、ちゃんと。