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ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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シリーズに嵌ってしまった ★★★★☆
本屋さんにおいてあった集英社の広告チラシを見てこの本を買ったのだが、古典落語の噺を題材にミステリーの味付けあり、笑いあり人情ありで、このシリーズに嵌ってしまった。
弟子が謎を解いたのに師匠が解いたフリをするところは、名探偵コナンに似ている。
面白いはすべてに勝る ★★★☆☆
不良少年がひょんなことから噺家の所に弟子入りする。
その周辺で巻き起こる事件をその不良少年が解決するという短編集。
と書いてしまえば、なんのこともない駄作のようになってしまうのは、ぼくの分が生き生きとしていないからで、実際の所は、面白いわ感心するわ古典落語の知識身につくわ、でいいことづくめなのだ。

不良少年の名は竜二。竜二の推理能力は抜群で神がかり的。というかミステリ小説にしてはご都合主義。
師匠の梅寿も乱暴すぎるというか、70歳を超えて竜二をどつき倒すのは現実性に欠ける。
とまあ、お作法的には失格のはずなのに、面白いのは不思議というか、作者の力量か!
おもしろ落語ミステリ ★★★★☆
『UMAハンター馬子』や『銀河帝国の弘法も筆の誤り』等のSF作品を読んで、すっかり田中啓文のファンになったのですが、作者のミステリは初めて、果たしてどんなもんだろうと読み始めたのですが・・・。登場する人物たちの造形、彼らの小気味よい関西弁での会話などなど、ミステリとしての出来はもちろんのこと、とても楽しく読めました。

上方落語の大看板、笑酔亭梅寿のもとへむりやり弟子入りさせられた不良少年の竜二。この梅寿師匠、芸は一流だが大酒飲みで暴力はふるうは口は悪いはの、とんでもない人物。彼らの周りで起きる事件を解決していく竜二だったが、考えることは逃げ出すことばかり。しかしそのうち、落語のおもしろさに魅せられていき・・・、といった内容の短編七作が納められています。

私は落語が好きなので特におもしろく読めましたが、興味が無いという人でも、あらすじからウンチクまでが書かれているのですんなりと読み進めることができると思います。で、本書を読んで落語にちょっとでも興味を持ったという方は、ぜひ寄席へ足を運んでみてはいかが?
落語家志望 ★★★★★
 2004年に出た単行本『笑酔亭梅寿謎解噺』の解題・文庫化。
 シリーズの第1作で、主人公・竜二の落語家への入門から語りはじめ、一応の成功を収めるまでの過程が描かれている。
 田中啓文氏の著作の特徴は、色々な要素を詰め込んで話をつくっていく点にあると思う。本書でも、ビルドゥングス・ロマン(成長物語)を軸に、ミステリ、人情噺、落語が混ぜられている。一番の面白みは、竜二の落語家としての成長物語だろう。自分では才能に気付いていない「天才」が成功の道を歩んでいく物語は、それだけで魅力がある。さらに周囲の登場人物も癖がありながらも温かく、読んでいてホッとさせられる。
 ミステリとしては、たいしたことがない。
 ちょっと人情味が強すぎる点がうっとうしいが、並外れた魅力のある一冊と思う。
上方落語入門の書としてどうぞ ★★★★☆
あまりのワルぶりに、『矯正』の為に無理矢理、破天荒で、あたりかまわず
鉄拳を入れまくる師匠のもとに入門する羽目になってしまった主人公竜二を
中心に、一話完結で上方落語の演目にまつわるストーリーが展開されるとい
う、いわゆる『タイガー&ドラゴン』方式ではあるが、そこに楽屋や高座で
のトラブルから殺人・誘拐までを扱ったミステリーを折り込む事により、
主人公の単なる成長物語としてだけではなく、物語に起伏を富ませている。
また、上方落語、ひいては落語そのものを知らなくても、読み終える頃には
頭に噺が入るかと思うので、『時うどん』≒『時そば』、『たいらばやし』
≒『ひらばやし』といった、上方落語と江戸落語との対比をしてみても面白い
かも知れない。

主人公・竜二は稀代のワルだったという設定だが、入門直後からは古典落語の
面白さに少しずつのめりこんでいき、挙句の果てには、自分が解いた事件の
真相を語る際、敢えて師匠である笑酔亭梅寿に花を持たせる姿は一見、眠らせ
た毛利小五郎を利用して犯人を追い込む江戸川コナンを連想させるが、本当の
ところは竜二自身が僅かの間に丸くなり、つつましさを身に付けた結果である。
出来れば、入門直後に彼が急に『ある程度の大人』になったプロセスをもう
少し描いて欲しかったと個人的には思っています。