これは一体なんであろう・・・。ピアノの音である。だが、ピアノだけではないと思わせる奥深さがある。 ピアノというひとつの楽器においてこれほどの世界を演出できるのか? それは信時潔という作曲家の力か。それとも、花岡千春という演奏家の力か。 全く新しい世界に出会った今、私は評価を下せずにいる。
聞くほどに、新たな発見がある。戦争の時代にあっても軍歌は決して作らなかったという信時潔。「海ゆかば」で有名な信時潔。 その本質は軍国主義にあらず。 秋津島に生きた大作曲家の魂を現代に伝える、渾身の作のようにも思えます。