豊富な合成例
★★★★★
旧版から内容も3~4倍に増え2冊組みになりましたが、それ以上に大きな変更点として、すべての反応に参考文献がついたことが挙げられます。
これにより本書は従来の教科書的な性質より、実際に合成を行なう際のガイド的な側面が強くなりました。
基礎,応用とタイトルは付いていますが、難易度の差ではなく、単純に上下刊と考えた方がよさそうです。以前著者のお一人が3刊組にしたいとの話をされていたので、ひょっとすると第3刊も出るのかもしれません(未確認)。
学生ももちろんですが、実際に合成を行う企業の研究者にも強くお勧めします。
ヘテロ環化学を理解しておきたい人には最適
★★★★☆
ヘテロ環化合物に携わる研究者なら、本書上下巻ともに目を通す事をお勧めします。特にこの基礎編では、ヘテロ環の基本的な物性、反応性、合成法が詳しく網羅されており、体系的に学ぶには最適です。ヘテロ環合成に携わるにおいて、検索ソフトを使うだけでなく、その反応性や物性を予め理解しておくと言う事は、より適切な合成法を選択し成功させる上で極めて重要と考えます。教科書として、また、辞書として、ヘテロ環化学に携わる研究者なら、熟読して体系的な理解をしておくと良いと思います。
お勧め
★★★★☆
ヘテロ環は有機合成で広く使われているにもかかわらず、その書籍はかなり限られていた。著者たちにより旧著もその数少ない和書として、愛用したが、今回の改訂で2分冊になり、文献も広く示されている。ヘテロ環を合成する際の道しるべとして、持っていて損はない。後は、JouleのHeterocyclic ChemistryとPalladium in Heterocyclic Chemistryを併用するとかなりのヘテロ環化合物の合成ができるようになる。