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幕末・明治のおもしろ写真 (コロナ・ブックス)

価格: ¥1,631
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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古写真の魅力をまざまざと ★★★★☆
石黒敬章さんとお父さんの敬七さんのコレクションの凄さを感じる本でした。表題通りの『幕末・明治のおもしろ写真』ですが、不思議な写真の連続に驚かれます。解説のくだけた書き方が一般受けすると思いました。

「笑う写真のルーツを探る」では、明治の古写真としては珍しくモデルが笑っている写真を集めてコメントしています。表紙にも使用されている横浜写真の美女は海外でも有名だそうです。名前は分からないみたいですが。

「幕末写真師サットンを追う」でのパークスを襲撃した三枝蓊が処刑される2時間前に撮られた写真は異様です。状況からして無理ならぬことでしょう。サットンは徳川慶喜も撮っており、26ページに小さく掲載してあります。慶応時代に知恩院境内で侍が異なった服装で並んでいる写真に興味を覚えました。百聞は一見にしかずの通りでした。

日本写真の開祖と称される「下岡蓮杖写真鑑定術」と「下岡蓮杖の風景写真考」が綴られています。意外と蓮杖の写真は少ないようですが、近藤勇の有名なポートレートは彼が撮ったようです。
坂本龍馬の写真を撮ったことで知られている「上野彦馬の不思議発掘」では、この写真は弟子の井上俊三が撮ったという説を披露しています。どちらにせよ、ベアトと上野彦馬は互いに影響を与えていたようで、日本の初期の写真では外せない写真家です。

「珍しい横浜写真」では後ろ向きの女や、凄い人列の葬儀の写真、横浜の街の風景、神田平河町の明治20年代の写真と興味をひくものが目白押しでした。
「明治時代のトリック写真」では鶴に乗る芸者や、雨風の中を行く女性、赤ん坊のコラージュ、人物を合成した横浜風絵はがき等を紹介しています。
日本の近代史研究にも有用な「森有礼のアルバムはタイムマシーン」は貴重なものだと推察します。
130年も経つと異世界 ★★★☆☆
本重量約350グラム。初版第1刷発行96年。コロナ・ブックスの16。「初出は第1章、第2章、第3章、第5章、は「日本写真芸術学会誌」平成6~8年に掲載されたものに修正加筆した。それ以外は書き下ろし」とある。幕末・明治の写真と長い解説。著者は古写真のコレクターで父親もそうだったようだ。とんちン館名誉館長、ゆうもあくらぶ常任理事など変わった肩書きを持っていて文体は硬くなるところを逃れている。明治の写真を見ると女性の体型が今と違うこと、男の面構えが怖いこと。第1章にあるが「笑っている写真が少ない」というのはいろいろ理由があるようでその謎を追っている。びっくりするのはアイコラ、コスプレ、トリックがもうすでに存在していて、今と全く一緒。写真の撮影者を特定したり、政治的有名人のアルルバムを取り上げていたりかなりと、深いところまで掘り下げていたりするので興味がないと読むのが大変な部分もあるが、写真をながめているだけでも異世界にトリップできる。