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J.R.R.Tolkien: Author of the Century

価格: ¥1,507
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: HarperCollins Publishers Ltd
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   最近の調査でも、トールキンは「20世紀を代表する作家」であり、『The Lord of the Rings』は「20世紀を代表する名作」であるという呼び声は相変わらず高い。本書は、著名な中世研究家で幻想文学研究家のトム・シッピーが、『The Hobbit』(邦題『ホビットの冒険』)、『The Lord of the Rings』(邦題『指輪物語』)、『The Silmarillion』(邦題『シルマリルの物語』)を中心にトールキン作品に肉迫した、興味深い手引書である。

   本書の中心は、『The Lord of the Rings』を、言語学・文化的な面、複雑に交錯する物語としての側面、神話的な側面から考察した3つの章にある。その中で、著者は「悪の本質」に関する独自の見解を示している。また著者は、物語の中心をさまざまな人物に移しながら、複雑に織り込まれていく数々の主題と、このような複雑で奥の深い物語を組み立てるのに不可欠な、卓越した技術について考察している。他の章では、『The Hobbit』を取り上げ、ホビットと壮大な「中つ国」の太古からのつながりを解説したり、『The Silmarillion』が後の大作に与えた重大な意味について触れたり、『Farmer Giles of Ham』(邦題『農夫ジャイルズの冒険』)、『Leaf by Niggle』(邦題『ニグルの木の葉』)などのあまり知られていない作品と、トールキンの生涯の関係を取り上げたりしている。

   著者は、トールキンと幻想文学、文学における言語の重要性の新しいとらえ方を、明解にわかりやすく説いている。そして、グリム童話やベイオウルフにルーツを持ち、今も脈々と受け継がれている物語づくりの伝統の一部を、『The Hobbit』『The Lord of the Rings』『The Silmarillion』がどのような形で担っているかを教えてくれる。

   トールキンとその作品に対する理解を深めるための本としてだけではなく、多大な影響力をもった幻想文学の最高傑作についての、学術的でありながら、入門書としても役立つ1冊。

Good Companion to Middle Earth ★★★★☆
Shippey explains the background to Tolkien's imaginary world. He shows how Tolkien's interest in language and culture plays out in his writing. Not for everyone, but fans of Tolkien can sharpen their appreciation of his classics.