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若くない日々 (幻冬舎文庫)

価格: ¥480
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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大人の物語 ★★★★☆
この著者の作品は何度か読んだことがあるのだが、今回は、そのタイトルにひかれ、借りてみた。主人公たちの年齢が、中高年であるから、同じ中高年の年齢にさしかかろうとしている自分自身と重なる部分が結構あって、それなりに楽しめた。特に、入院生活を題材とした物語は、私自身も病気を患っているため、印象に残った。どの物語も坦々としていて、読後に、何ともいえぬ、味わいというか、雰囲気が残る。
私も同世代 ★★★★☆
だれしも4,50年も人間をやっていると、それぞれの「いわくありの小さな歴史」がしぜんとからみついてくる。  本の裏表紙に書かれていた作者の文章に魅かれてこの本を手にしました。
私も同世代。

 その世代の女性が主人公で、ほぼ恋愛がらみの小説ですが、
若い頃のエピソードから書き出され、表紙の若い娘を思わせるイラストが印象に残ることも影響し、読みはじめは、もっと若い人を描いてるものなのかーと、少し心が離れかけると、絶妙なタイミングで、「まさにこれは我々世代的感性」と思えるモチーフに出会え、フムフムと思ってしまう。

もっと若い世代で読んでいたら、もしかしたら、ここまで共感しなかったかもしれない。
けれど
作者の藤堂さんの年令
描かれてる主人公の年令
そして、読み手である私の年令

この三つがぴたりとあった点で
たくさんの共感
苦笑い。
そしてそれらからちょっと元気をもらえる、ほぼ50年近く生きてきた私たち女性にぴったりおすすめな本だと思う。

1つ1つの作品は短く次々と読めます。
各々に切り込む角度は違うけど、そのどれもが、誰かみたいでもあり、私の中にもある。
きっとそれが各々の「小さな歴史」からくるものなのでしょうね。
老いを意識した女性の生理 ★★★☆☆
女性読者は気付かないかもしれないが、作者の作品は男性にとってはキツイのである。作者の書くものが女性の生理に基づいているもので、それをアイロニカルに描くという手法が定着しているので、男性にとっては女性の妄執に付き纏われているようで疎ましいのである。

本作には5編の短編が収められているおり、各々異なったタイプの女性が描かれるが、相変わらず女性から見た際の(性)愛に関する理想(妄想)と現実がテーマである。作者の年齢は私(51歳)より5歳くらい上である。当然、自身の老いを感じる年齢である。サラリーマンなら定年間近という所であろう。「若くない日々」という題名が本作の題名としてふさわしいかどうかはともかく、作者の頭の中に、生と死、老いと若さという概念が拡がって来ているのは確かだろう。

直木賞受賞作「熟れてゆく夏」を読んだ時、花芯が発する女の愛に対する思い入れに辟易し、女と男の"種"の違いをマザマザと感じた。しかし、今後は女と男の垣根を越えた透緻した人間模様を我々に提供してくれそうな予感がするのである。