まさに総集編
★★★★★
これまで読んだ開戦初頭の戦史ものの中では、まさに総集編と呼ぶべき力作でした。
真珠湾攻撃の経過だけでなく、ワシントンでの開戦通告の遅れや日本軍のハワイ攻撃をルーズベルトは知っていたかなど、様々な資料を綿密につきあわせて考証しています。奇襲に参加した多くの飛行士たち(ほとんどが20歳代)のエピソードが紹介されています。
また雷撃・爆撃による戦果が、大型軍艦でしか評価されないような雰囲気がどの兵士からも感じられ、再建不能にするための造船や修理ドック、燃料タンクは無傷で残してしまうという、よくいわれる日本の戦略性のなさをつくづくと感じさせてくれます。