高い精神性の交錯を見る
★★★★★
いくら知性と言っても、いくら精神性と言っても、現代においては陳腐化する事となる。
その事を充分に検証し、思考して行くと、身体性や、感性に根ざしたものではない事と繋がって行くと感じる。
それらが欠けているが故に、知識人は尊敬を受けながらも侮蔑され、宗教人は恐れられながらも依存されるのではないか。
では、知性とはどういうものか?精神性とはどういうものか?
と、世俗的な話しの組み立てをしてしまったが、そういうものを感動しながら感じられる書となっていると思う。
しかし、それ以上に我々に迫ってくるのは、今や諦念感に包まれている人という種への圧倒的な可能性であろう。
意拳の創始者、王郷斎の自然な状態を表現している写真には、形容し難いものを感ぜられる事と思う。
”この一動はなぜ存在するか”
人の深みを感じて欲しい。