英語論文を書くときに傍らに置きたい本
★★★★☆
「この表現はこれでいいんだっけかな?」
と英語論文を書いているときに思うことは多々ある.
そんなときに,念のために本書で使い方が間違っていないか確認すると,
意外と間違った使い方をしていることが多いことに気づかされる.
簡単な単語ほど思いこみで誤用しがちであることが分かる良書である.
英語論文を書く場合には,常に傍らに本書を置いておくことをお薦めする.
ところで,
第1編 よく誤用される単語と表現
第2編 前置詞、冠詞、代名詞
第3編 動詞
第4編 文法、構文、言葉遣い
第5編 物理学、数学における特別な問題
という刊行予定であるようだが,第2編以降は出版される様子がない.
早く全巻出そろうことを期待してやまない.
論文作成に使える例文の宝庫
★★★★★
まず注意したいのは、本書は辞書のようには使えないという事。
論文を作成する際の日本人が犯しやすい誤用例をまとめた物です。
辞書では決して伝わらない英語の微妙な表現は、誤用例を見なければ分からないものです。
例えば、Notationという語の正しい使い方は?と言われて分かるでしょうか。
筆者は日本人学者はnotationやdiscussionという言葉が好きでよく使われるがよく間違えていると書いています。
誤用例を見ることで正しい英語の使い方を「感覚的」に理解でき、役に立つと思います。
個人的にはnotationとdiscussionとas well asの項を一番参照します。
使える例文が非常に多いと思います。
パラパラと見ておいて、使えそうな表現はいざという時の為にキープしておくと役に立つでしょう。
非物理系には難しい
★★★☆☆
実例、訂正例がきわめて豊富である。目次をおおよそ頭に入れておいて、自分の表現が正しいかふと迷った時に引いてみると役に立つ場合もあるだろう。しかし場合によってはひたすら例が大量に列挙されているだけで、言わんとするところをくみ取るのに苦労する。
この本を難しくしている原因は、例文がすべて物理系に限られるところにある。著者の仕事の性質上仕方がないのだろうが、分野外の人間にとっては極めて読みにくい。例文の意味を読者が自力で読み解けなければこの本はほとんど意味を持たない。「科学論文」と一般化して書名にするのは、間違いとはいわないが大いに誤解を招く。
非物理系の場合は、むしろしっかりした英英辞典を手元に置いて作文したほうがいいかもしれない。
骨太になる本
★★★★★
日本人に多い誤用が解説されています。分厚いですが、非常に明確な解説のため、理解しやすく、すごく読みやすいです。冷汗をかいてしまう分、一生懸命読んでしまうのかも知れません。でも、この本の魅力は、読みながら英語表現力に幅が付くことだと思います。「正しくはこう言うんだ」「こう言い換えることができるのか」「このニュアンスにはこれか」と、詳細な解説の中に、使える表現が沢山盛り込まれています。著者がネイティブだけに説得力もあります。
これまでにない英語論文作成本
★★★★☆
前置詞、動詞などを133の章別に誤った用法と、正しい用法を挙げている。
この本が他の英語論文作成のハウツー本と異なる点は、その単語の意味(イメージ)を直感的に理解することで、本の例文を丸写しするのではなく、自分で文章を作れるようになることにあるのだと思う。
英語版PDFファイルが添付されているので、実際に論文を作成するときに、単語を検索することもできる。
しかし、700ページ近くもある本なので、読みきるまで結構骨が折れるので1つ減点。