インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

シャトウルージュ (文春文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
着眼点次第では。。。 ★★★☆☆
私もこの小説を読み進めて行ったとき「渡辺淳一はただのエロおやじ、失楽園も然り」と思っていました。 しかし最後の月子(奥さん)の
手紙の部分を読んだ時愕然としました。 主人公の旦那が奥さんのことをとっても冷酷でいやな女であることを散々言っていたにもかかわらず
その手紙は繊細で人の心を大切にするとても教養のある女性のものでした。 途中の内容が強烈なエロであることが原因で多くの人に誤解されてしまっていて渡辺淳一が一番表現したかったところがぼけてしまったような気がします。 
初めは男の視点で読者の見方を決めさせておきながら 実はその男はなにもわかってなかったということです。
要するに旦那は奥さんをなにもわかっていませんでした。 それゆえに奥さんは旦那に見切りをつけてしまったのです。シャトーが魅力的だったからではありません。
確かに奥さんも旦那につめたいところがあったでしょう。それは旦那が奥さんのことを何も理解しようとしなかったからです。(あるいはできなかったから?)人間の内容次第でパートナーがいかようにも変わるし、幸せも変わってくるということです。 この場合男が悪いです。 
渡辺淳一すごいとおもいました。
最後がいただけない ★★★☆☆
妻を従順にする為に「寝取らせ」を試みた男が、最終的に失敗して完全に寝取られてしまう・・・というストーリーで進行します。
それはそれで、官能小説としては定番なのかもしれませんが、徹頭徹尾、主人公の心情を吐露する一人称で進行する為、情景に対して臨場感を持てません。
おそらく、主人公の呟きありきで連載を開始してしまった為、細かな情景設定や起承転結の構築には気が回らなかったのかもしれません。

既に性的に円熟している40代以降の読者が読む分には、これはこれで充分刺激的であり、事実、著者の年齢から考えてもその辺りに向けて書いたのかもしれませんが、ストーリーの起承転結から言えば不完全燃焼感だけが残り、「バカな男が居たもんだ」というだけのオチで終わってしまいます。

エロだけで終わらない、奥深い文学作品を目指すのであれば、情景描写や起承転結の整合性を、もう少し意識して欲しかったと思います。
拍手!! ★★★★★
約10年以上前に沖縄の離島で読んだ作者の化身〈上〉 (講談社文庫)以来の
渡辺作品読破でした。なので、まだ失楽園 上 岩波文庫 赤 206-2も愛の流刑地〈上〉 (幻冬舎文庫)も
読んでいません、初心者です(映像の方も見ていない)。

しかし、読破を難儀させる、この執拗さ、しつこさ、になかなかてこずりましたが
どういう結末になるんだろう?と、とても楽しみで楽しみで仕方がありませんでした。

カレッス(快擦)の描写はアダム徳永氏のスローセックス実践入門――真実の愛を育むために (講談社+α新書)を
彷彿とさせました。
パーティの場面は、叶恭子さんの叶恭子・トリオリズムのよう(笑)。

しかし…主人公の情けないコト…こんな幼稚な性交しかできないんじゃ
女もイヤになるわな〜と思ってしまうし、
「更に衝撃の映像が送られてきた」みたいなコトが書いてあるので
どんな調教か?!と思うと、これで衝撃かい!!みたいな感じ。
主人公はただただお粗末な感じですが、月子からの最後のメールは面白かったし
この程度で打ちのめされて傷ついてるんじゃないよ!!と思ってしまう(苦笑)。
あと、結婚したら好きなだけ性交できるって思いもどうかと…(苦笑)

苦笑は絶えませんが、面白かったです!
是非男性に読んでもらいたいな〜と思います☆
男は愛する女のすべてを征服したい ★★★★☆
 だけど他人に委ねてしまっては・・・主人公は完全なM男君でしたね。

 著者独特の冷静な文体でフィクションとしては面白かった。

 知識だけの頭でっかちな男が増えているのは事実・・・

 男と女の性の違いを考えさせられる内容でした、性にタブーはないけれど愛する妻を他人に委ねる事にはどうも付いて行けません。
渡辺氏はどうか? ★★☆☆☆
渡辺氏の作品を読むのは2作目であり、今回は知人に薦められたこと、以前直木賞選考で『○○氏は人物描写が出来ていない』と長年受賞に反対意見を述べられていたので、果たして渡辺氏はどうなのかと思ったのがきっかけである。当代の花形作家に批判意見を述べることには、これはこれで断固としており、決して不快なイメージはもっておらず、今回の作品も期待して読み始めた。

いわゆる寝取らせから、寝取られへ流れていく小説であることを承知をして読み始めたが、冒頭インテリ意識の強い医者である夫と、厳格な家庭に育ちキリスト教に関心を持つ美貌の妻というところで、嫌な予感がした。寝取られ小説の主役としては、余りにパターン過ぎるのである。そして最後まで読んだ。結果は余り面白くない。

面白くない理由はこうである。一人称小説、特に寝取られ小説の場合、『ああでもないこうでもない』という夫の心の葛藤が、適度に読者の感情移入や共感を得ることが必要であり、全体の官能描写がいくら優れていても、この点は外せないところである。しかし本作品の場合、心の葛藤描写が執拗なのか拙いのか、『いまさらなにを』『お前がそれを言うなよ』との思いになることが度々であり、夫に対して醜悪なイメージを持ってしまうのである。まだ憐憫程度の感情移入に留められていれば大分違っていたと思う。

これが人が描けていない、と公言された方の作品なのか?と期待が大きかっただけに残念であるが、この作品がつい最近の作品であることを知って、更にがっかりしている。