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津雲むつみ傑作選 2 椿散華 (YOU漫画文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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昼ドラ化希望 ★★★★★
作者の代表作である「風の輪舞」の約1年前の作品です。
まさに「風の輪舞」への序章といったストーリー展開になっています。
死んだ母と自分から父を奪った、愛人とその娘詩織を憎みながらも、
愛してしまう柊一の気持ちが、モノローグからひしひしと伝わってきて痛々しい。
どんなに傷つけられても、柊一を愛する詩織の健気さも痛々しい。
すごく重い作品なんだけど、ラストでは二人はああいう形であれ、
結ばれることができたのだから、人からはどう思われても二人は幸せだったでしょう…。
昼ドラマにしてほしいです。
椿の花のごとく散った二人 ★★★★★
父に思いを残して逝った実母のかわりに復讐することだけを考えて幼い頃から生きてきた柊一。個人的にはこんなうじうじ型は旦那にしない方が良いと考えるがそれはさておき、人一倍優しい少年であったからこそ、激しく父や義母を憎んだのだろう。そして義母の娘である妹の詩織の無垢な白さと優しさを、どうしようもなく憎みながらも愛し、虐げ続けた。柊一が詩織の後を追って散ったのは、果たして実母の望んだ事だったのだろうか。それとも実母の復讐という呪縛からついに解き放たれたのだろうか。
同時収録の「花の庭」では、上と対照的なほのぼのとした愛が描かれている。彼は結局死んでしまったけれど、彼女にはかけがえのないものをたくさん残してくれた・・・。
どちらの作品もとても好きです。
著者お得意のどろどろ血族もの ★★★★☆
母親の違う妹を憎みながらも愛する主人公。しかし、彼は母が亡くなる寸前の約束に縛られ、幼い妹に対して残酷な仕打ちを繰り返していた。広大な屋敷の庭中に植えられた椿が、若い二人の破滅的な恋を象徴するかのように咲いては散っていく・・・。
主人公にどれほど痛めつけられても、なお彼を慕う清らかな妹。主人公の本心を思うと切ない。上流家庭の中で起こるスキャンダルという設定は著者の得意とするところだが、この作品にもその持ち味は十分に発揮されている。読む人に強烈な印象を残す、美しくも悲しい作品。