証券化に携わる者として
★★★★★
証券化についてこれほど分かりやすく解説している本は他にないだろう。
スキームの基本(信用補完、流動性補完、倒産隔離等)が抑えられてあり、
まずはこの1冊を完全にマスターしたい位置付け。
この知識が頭に入っていれば、最低限の内容は知っていると
言っても過言ではないのでは。
証券化ビジネスは関係者や資産・受益権譲渡が多いため、
理解するのに混乱が伴うものであるが、本書は
見開き1ページ毎に必ず図を用いており、理解を深めるのに非常に役立つ。
著者の職業柄、解説する際に用いられる対象債権の例として、
不動産が若干多い点が唯一気になるところ。
最後の方に、証券化で必要となる数学の知識や、
金商法の解説についても触れられている点も参考になる。
証券化に関わるオリジネーター、信託、投資家、アレンジャー、
どの立場の人にとっても買いの一冊。