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なぜ伝わらない、その日本語 (もっと知りたい! 日本語(第II期))

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 岩波書店
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悪くないが、いたって普通の内容。新書ならマル ★★★☆☆
もっと学術的な本と思いきや、一般の人に分かりやすい実用書でした。ちなみにこの本は横書きです。
ちらしや電子メールの文を例に挙げながら、読み手の受け取り方を解説し、よりふさわしい書き方を説明しています。
私はもっと文法の細部の本かと思っていましたから、ギャップを感じました。箇条書きやレイアウトを工夫するといった、見た目のテクニックが多くて、ビジネスメールの書き方やパンフレットの作り方の書に近いです。
この種の本はたくさんあるので、最適かと言われれば微妙。筆者のやさしさが現れているのだと思いますが、学者の本としては中途半端に思いました。単に例文がほしければ他の本をおすすめします。
優劣を付けるわけではありませんが、単行本でなく新書版でさくっと読みたい本だと感じました。
第一線の日本語研究者が執筆する、群を抜いて「実用書より」な一冊 ★★★★☆
第一線の日本語研究者が執筆する「もっと知りたい! 日本語」のシリーズの中でも、群を抜いて「実用書より」な一冊です。

本書では、お店でお客さんを誘導する案内表示やDMのお知らせ、ビジネスメールといった具体例を提示します。その具体例を「今の文章では伝わらないので、こう改善すべきだ」指摘することで、伝わりやすい文章とは何かが学べるようになっています。指摘の内容は文章の構成、単語の選び方にとどまらず、「こういう場合は図を大きく使うべきだ」「今回は言いたいことを絞って、残りは切り捨ててしまうべきだ」などといった点にも及びます。また、「日本語」とは言いながら、指摘の対象は時刻表などにも及びます。

一方、指摘が体系的になっているわけではないので、組織だった知見が得られるというような形にはなっていません。一応、「伝わらない三つのパターン」として「1.相手の状況を考えていない」「2.相手の反応を予想していない」「3.相手に伝える工夫をしていない」という3点を挙げていますが、個々の指摘がどのパターンにあたるかなどの解説はあまり見受けられません。また、自分が文章を書くときに注意すべきチェックリストなども用意されていませんので、読んだ知識を実際に生かすには、読者の工夫が必要です。また、指摘の根拠も、分かりやすいか分かりにくいかというある種の主観に拠っているので、他人の文章を直させる際の根拠付けとして使うのには弱いかもしれません。

ちなみに、著者のサイト(著者名で検索してください)の「著書・論文」のコーナーには、この本の序盤10ページ分と、ボツにした「あとがき」が掲載されています。それらを読んでみてから購入を検討しても良いでしょう。
ストイックに伝える ★★★★★
タイトル通りですが、なぜ自分が伝えたいことが相手に伝わらないかということについて徹底的に解説されています。(というよりもまず、あなたにはきちんと伝えようとする気持ちがありますか?というところを問われているような気もします)

一言にまとめると「相手のことについて考える」ということなのですが、言葉にするには簡単な「相手のことについて考える」というのは実は大変なことであるということが分かります。それがもっとも顕著に表れているのは、多分著者の後書きでしょうか。事情から本には書けなかった幻の後書きというものがどこかに用意されているそうです(それは実際に本を読んで確認してくださいね)。相手のことについて考えた執筆ということがどこまで大変かを物語っています。

コミュニケーションというものを考える際、相手のことを考えるということは、自分が相手に伝わらなくしていることは何なのかということをまず考えさせられます。テクニックと自分自身の思考の両面から変革を迫る1冊。