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虹の天象儀 (祥伝社文庫)

価格: ¥400
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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ロマンがある ★★★★☆
 20年前に秋田の大館で見た夜空の美しさが忘れられない。その時肉眼で初めて天の川を見た。それ以来、できるだけプラネタリウムに通いたいと思っている。この小説は、プラネタリウムを通じて、他の人々の心に残ってゆく「人の思い」というものを鮮やかに示して見せた小説である。本編が、160ページ足らずで、手軽に読める小品ながら、静かに胸に迫るものがある。ストーリー展開は地味だが、それがいい。この小説もタイムスリップを扱っているが、タイムスリップものを支えているのはロマンスよりもロマンだなあと、痛感した。また、読んでいると、今から30年程前にNHKでやっていた少年少女ドラマシリーズを観ているようで、自分自身も30年前にタイムスリップしたよな錯覚に襲われた。その意味でも二重に楽しめた。
 考えてみると、8年前に書かれたこの小説は、当時の空気を閉じ込めたタイムカプセルのようなものだ。小説というものが時代を超えて、読み継がれていくというのも、なんだかロマンがある。いろんなことを考えさせられ、面白かったのだが、もうちょっと深みがあっても良いのかなと考え、星は4つにした。
人の想いをのせて、星空は輝く・・・ ★★★★☆
広大な宇宙をギアとモーターの回転だけで表現しようとした
偉大なるツァイスのプラネタリウム。
「作り物の星空」だけど、それだけじゃない。
「作り物の星空」に想いをよせた多くの「想い」がそれを証明している。
人の想いは尽きずに、どこまで残っていくのだろう?

五島プラネタリウムを知る人、そこに淡く素敵な思い出を持つ人なら
始めの数ページを読むだけで泣いてしまうかもしれない。
(事実、読むたびに泣いてしまうみっともないワタシ^^;)

プラネタリウムという機械のしくみをあますところなく説明しながら
叙情的に、そして優しくせつなくまとめている瀬名氏の手腕には脱帽。
読んだ後に、プラネタリウムに行きたくなる。
もしくは夜なら、ふと夜空を見上げてしまいたくなる!本!!です。

めずらしい「純正プラネタリウム小説」 ★★★★☆
プラネタリウムが初めて日本に登場したのは1937年。すでに半世紀を超えており、その歴史はテレビより古い。マルチメディアという言葉すら存在しなかった時代に、全天周の映像をみせられた人々は一様に言葉を失ったという。その衝撃からかプラネタリウムを描いた小説は意外とでているのだが、案外とプラネタリウム自体が主役の小説は少ない。あの奇怪なメカメカしい姿や、独特の解説を小説に昇華するのが難しかったのだろうか。瀬名は老舗五島プラネタリウムの閉館をもって訪れたチャンスにこの難題に挑戦した。理科系作家と言われる氏だが、むしろ叙情面に重きをもち、プラネタリウム小説の始祖ともいえる織田作之助へのオマージュともなっている。ドームの外で古き良きプラネタリウムを味わえる不思議な作品!である。